感情の吐露

谷田部乃空

2020/12/16

物語の中の女の子は儚くて可愛らしい。

小柄で痩せ型なので小学生に間違えられる。

フワフワでくせっ毛の金髪。大きな眼。

細い脚の先のスニーカーは相対的に大きく見える。きっと、丈が長すぎて着れない服に憂鬱になったりするんだろう。

優しい心を持った大人の男性と距離が近づいたり離れたりして、互いにわかりあって幸せな日々を送るんだろう。


自分と比較する度に心がゆっくりと締め付けられる。無いもの、あるもの、単に並び替えても到底近づくことはなくて、そもそも違う生き物なのではないかと思う。


死んで生まれ変われるなら、あんなふうに、苦しくとも人に愛される人生を送りたい。

誰かを支え愛する事を要求される身体が朽ちた後、頼りなくて愛おしい身体を。


生まれ変わりなどなくて、死ねばそこで終わり。だから今日も大嫌いな心と体で生きている。

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