第21話 乖離した体と思考

乖離した体と思考




くそっ睨むことすらできない。さっきの男と先読みの男がそろったし、どういようもないよ。ウエアは死んじゃったし。そんな時だった。


「助けに来たよ。ウエア」


「それにアミちゃん~」


一人は見たことのない、女性。もう一人は、


「光かな」


たしかそんな名前だったと思う。最初の皐文とともに転移したときに出会った女性。でもどうしてここに?


「皐文さんに~、言われてきたんだよ~」


「で、ウエアはどこなのよ」


「ああ、あの女か? さっき燃やしてやった。そこの鬼を庇ったんだから、そこの鬼を憎め」


くそっ。あの先読みの男、好き放題言いやがって! 


「馬鹿言わないで! そんなのやった奴が悪いに決まっているじゃない! だからあんたを憎むわ」


ありがたいけど、でも、死んだのは私のせいなきがする。どうしようもないけど、どうすればいいのかな?


「このアポロン様を憎むだと! 無礼千万だな! マーズ、アイツら殺すぞ!」


「ああ、悪いが、ちと面白いことを思いついたので、儂帰る。代わりに、あの鬼に命令しといてやる。その女どもを殺せ」


「まあいい、俺様一人でやれるからな」


「じゃあ、私を解放してよ!」


「お前はマーズの玩具だからな俺にはどうしようもない」


「私は、あの男を倒すわ。ウエアの仇だもの。あなたは、あの子を救ってあげて」


「うん~。分かったよ~」


光は何やら、卵のようなものを掲げた、何あれ、少し光って、刀になったよ。


「これで、苦しまないように、ぶった切ってあげるよ~」


「私、死にたくない!」


けど、これ以上アイツの思い通りになるのは癪だから、斬られてもいいかも。いやいやそんなわけは無い! 腕を巨大化そのまま振り下ろす! 何度も何度も、避けられまくっているけど、目で追いかけて私の感情とは関係なく、振り下ろす。


「この~!」


光が腕に登ってきた!? すごいや。でも、体が思うように動かないし、そうだ、隙の大きい攻撃をしようと思ってみよう! でも死にたくはないし、けどこのまま、操られたままよりかはましかな? なら! 両手でハンマーのようにして、思いっきり振り下ろす! よし、地面に腕がめり込んだ。


「隙だらけだよ~」


ああ、やっぱり斬られちゃったな。ああ今度は、4人家族みんなで楽しく生きられたらなぁ。


そんなこと考えていたのに刀で叩き飛ばされた。どういう事?


「安心してね~。峰打ちだよ~」


こ、こんなに飛ばされて、大丈夫なのかな? というか、私今、体重tあるのによく飛ぶなあ。あ、でも、体が、


「動く!」


右手、思い通りに握れる。左手、思い通りに開く。


「よし、これなら!」


「お、復活したね~。ってサモンエッグが増えている? 見たことないやつだね~しまっとこ~」


よしこれで、3体1だね。これなら有利だよ。けど勝てるビジョンは見えないけどね!


「ふん、業腹だが、1対3はさすがに不利か。ここは退いてやる。ありがたく思え」


あ、次元転移した。敵が消えたことを確認して、


「た」


「た」


「「「助かった」」~」


3人は同時にぺたりと座り込んだ。


「何アイツの圧。3人でも危なかったかわね」


「そうだよ~。戦ったら、この中の二人は死んでたね~」


「変な予想しないでよ! まあその予想はわかるけど」


「キヲぬクのハ、ハヤイでス!」

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