三年A組死神先生

あいる

~死神先生は今日も行く~

 立花中学校に新任教師として赴任してきたオレのあだ名は「死神先生」

 身長189センチでヒョロヒョロしてるオレは某映画の死神に似ているそうだ


 最初に呼ばれた時はちょっとビックリしたよだって本物の死神なんだからね。


 オレのクラスは男子17人女子15人だった。

 オレは毎日目を光らせて生徒たちを見るのが仕事なのだ、だから授業はそのついでなんだ。(社会科担当)

 生徒はもちろんだけど、その後ろに隠れている死神たちを監視するのが使命なんだから。


 ある日を境に「西田君」が不登校になった、後ろにいるのは生意気そうな若い死神だった。

ピンクの髪の毛ってなんだよ!お笑い芸人かっ!


 何度も西田君の家に家庭訪問したけど母親からは、「息子が会いたくないと言ってる」と申し訳なさそうに言われた。


 対峙するしかないと思ったオレは西田君の後ろにいる死神を呼びだした。


「なんすか?」

「なんすかじゃねぇだろ、西田にとりつくんじゃねぇぞ」

「えーっ!だって本人は死ぬ事を希望してるんすよ、だから、オレはその手助けをする、それって慈善事業と同じじゃないっすか?」

 うぜーこいつマジでうぜー!

 死神の風上にも置けないやつだ!


 ………はい?


 ………そうです!

 オレは神様から派遣された死神監視のプロです。


 一瞬の気の迷いで死を選ぶ人間を立ち直らせることを使命としている、珍しい死神だ。

世界に数十人(人じゃないけど)しかいない言わば死神界の異端児なのである。

 えっ?カッコつけんじゃない?

 そんなイケメンじゃないだろって?(ほっとけよ!)


 さあ戦いの始まりだ、何で戦うのかって?だから…言っただろ!


 死を選ぶ人のぉ……えっ?そうじゃない?

 武器はなんだって?

 あ━━━そっちね(テヘペロ)

 武器などない!!(キッパリ)


 あるとするならこの口だ!

 戦うのと言うのは相手を論破する事なのだ!

 論破して勝てば死神を退治することが出来る!


 そして死神VS死神の戦いははじまった!!!





 数時間後……


「ヤレヤレ、何とか勝てた、あのイケ好かないヤンキー死神に勝った!手強かったなマジで!一瞬死にかけたぜ(死なんけど)」


 次の日西田君の家に出向いた、玄関先では母親が待ち構えていた「先生お待ちしてました、息子が死にが·····すみません、武田先生に会いたいと申しておりまして……そろそろ来られる時間じゃないかと……」

「わかりました、ぜひ会わせて下さい。」



 オレは教師だ、そして死神でもある!

 

 そして今日もオレは戦う!


 おめぇら!

 死ぬんじゃねぇぞ!!!

 絶対に守ってやるからな!!!


 夕日に向かって叫ぶのは立花中学校の熱血教師

武田 らい←※自分で命名

 

【死神先生とは俺のことだ──!】


❋❋❋


 

「梶原 由香」

「はい」

「鎌田 あずさ」

「は~い」

「澤田 亮太」

「おぅ!」

「棚橋 美智」

「棚橋!たなはしみち! 」


「美智は休みでーす! 」

 棚橋の隣の席の山原ユカがダルそうに返事をした。



 ここ数日棚橋 美智は登校していない。

 やっぱりアイツが原因なんだろうと思っていた。


 棚橋の後ろに秋頃から、女の死神がついている。

 これがまたかなりの美形だし、なかなかの巨乳だし好きなタイプの死神だった。


 そんなことは関係ない!



 オレの使命はなんだ?

 死に急ぐ若者を救うことこそが生きがいなんだ!


 妖艶で魅力的な死神の名前はステーシア、紫色の長い髪の毛でボンテージのコスプレイヤースタイルだった。


 思いきってステーシアを呼びだした。


「なんのようなのかしら」

 髪の毛をかき上げながらステーシアはオレの目を見る。


(やべぇ~マジでタイプ)


「うちの可愛い生徒に何をするつもりなんだ! 」

 少し声がうわずったけど何とか言うことが出来た。


「ミッチーはもうこの世界とはおサラバしたいんだって、だから手を貸したいだけなんですけど? 」


( ミッチーなんて呼んでいたのかとびっくりしたがあえてスルーをした、問題はそこではない)


 棚橋は真面目で目立たない生徒だった、イジメられている兆候もないと認識していたが、間違いだったのか?


 なるべく低い声でオレはステーシアに言った。


「どうして棚橋に近づいたんだ?」





注意:フィクションです


そして······続きます。

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