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 彼女らの期待に応えるためには準備が必要であった。

 ゆえに俺は、まず先に時間を貰って街へ繰り出した。



 ――メル国王都。

 レオリアらに聞いた通り、この街にはどこかピリついた印象がある。


『爆竜討伐戦』の褒賞のため訪れた時は、逆に怖気が奔るほどの人気のなさであったのだが、今日は行き交うのにも苦労があるような人気が満ちている。



 と、そんな訳だったので、

 ……あまり長く人ごみに揉まれる気もせず、俺は昼頃には秘密基地へと帰ってきていた。



「おかえりなさい、ハル。半日はかかる用事だと言ってた割に早かったですね。準備は?」


「上々」



 エイルの言葉に、そのように返して、

 先ほどはルクィリオが立っていたこのパブの最中央に、今度は俺が立つ。



「で、作戦は大体決まって、裏取りも済んだ。今から説明するが、……二度手間は面倒なんで先に確認したい。この場は『桜田會』と『北の魔王』と『ストラトス領』と、それから俺の愉快な仲間たちで大体四つの勢力が集まってるわけなんだが、ちゃんとそれぞれの陣営に作戦の共有が出来る奴がここには集まってんのか?」


「と、言いますと?」



 俺の作戦説明を補佐する役はレオリアに頼んだ。

 筋で言えばエイルを立たせるべきなのだろうが、アイツは駄目だ。馬鹿だからである。



「出来ればトップがいて欲しいところだったが、ユイもカルティスもいないみたいじゃないか。後になって『ウチの陣営はそんな卑劣な作戦には手を貸せない!』なんて言われたら俺は全部放り投げて帰るぞ」


「卑劣な作戦、持ってきたんですね……。とりあえずそこんところ、北の魔王さんはどうお考えで?」



 レオリアの問いには、次席のマグナが答えた。



「『逆条八席』としてましては、今回の話についてはわたしが全権を委任されてきましたんでダイジョブす」


「へえ?」



「その代わり私が、カルティスの代理で意見を言いますがね。ただ、卑劣なのは構いませんのでお気楽にどぞ」


「それならよかったが、……じゃあ、桜田會は?」


「…………」



 なんの気なしに話題を振ると、……しかし、思いのほか重苦しい反応が返ってきた。


 その沈黙を切ったのは、ミオ・ラフトップ。桜田會の女の子である。



「大将は、……いまちょっとヤバいんです」


「ヤバい?」



「ええ。共有した情報ではありますが改めて、――現在ウチは最高戦力のゴードンという男をレクスに捕獲されてます。この間の悪神神殿攻略戦争の佳境に大将ともども張っ倒されて、その時に大将が『ゴードンを丁重に扱うこと』を条件に、そこのレオリアさんに『正気を失わせるスキル』を使わされて、特級冒険者によるバスコ公国侵略の大義名分を得た。……んですが、そんなわけなんで大将だけが解放されて、まだゴードンは人質扱いで、それで大将がちょっと」



「……。ちなみに、ゴードンとユイの関係性は?」


「大親友です」


「……、……」



 なるほど。それで、手をこまねいている状況にユイが憔悴してるってわけだ。

 であれば後で、シシオ氏のお土産のパンを持ってってあげるべきだろう。元気かーっつって。



「まあ、代理できる奴がいるならいいけど。誰かいる?」


「コルタスの爺さんが一番なんだろうが、二番手の俺で頼む。改めて、ルクィリオだ」


「了解した」


「……ちなみにストラトス領は私、レオリアが全権を頂いておりますのでご確認は不要ですね。協力者のグラン、パブロ、ビスケットはそれぞれ、ストラトス領で私の留守・・を繋いでくれてるところですが、情報面での協力者ってことで頭数に入れてあげてください。あと、その流れで聞きたいんですが、ハルさん」


「ん?」


「あなた方の陣営は、どこまで・・・・と解釈してよろしいんです? リベットちゃんもエイルちゃんも多大な戦力ですが、……正直言って、英雄クスノキとウォルガン・アキンソン部隊を、私たちは期待している」



「…………」


「彼らは、どこで何を?」



「…………。この戦場にはいない。俺から今言えるのはここまでだし、アイツらの戦力がここに注がれるのを期待するのは無駄だ」


「そうですか。……非常に残念に思います」



 レオリアはそのように、女神の美貌で苦肉の表情を作る。

 ……危ないところである。中身がおっさんだって知らなかったら普通に呼び戻してたかもしれない。


 しかしながら、彼らに任せたコトは、なんならこの戦場よりも重要度が高い仕事である。


 なにせ「この戦場の中にいる奴だけが敵なわけじゃない」。



 ……ということで改めて、



「まずの作戦だが、……」
















 /break..
















 こちらの作戦草案を共有し、おおむねの了承を取り付けた時点で、

 エイルが、思い出したかのようにシシオ氏のお土産を開封した。



「忘れてたわけではないんです、お昼時を待っただけの事。さあみなさん、お召し上がりください」



 訂正。思い出したかのようにじゃなくてそのまんま思い出したっぽい。


 ということで俺はそのお土産、――シシオ氏お気に入りの『カツサンド』を片手に、一路ユイが引きこもった部屋へ向かった。



 ……というか、驚くべきことにアイツ引きこもってるらしい。そんなタマかね?




「ユイー? 俺だけどー」




 閑話休題。

 ノックを三つ。……しかしながら返答はナシ。


 といっても、寝ているわけではないらしい。音を鑑みるに、俺の来訪にも気付かずこの部屋の中を徘徊している模様。



 ……マジでヤバそうである。一人でこの中ウロウロしてるとか相当なメンタルじゃないの?



「(うわ、一気に入りたくなくなった……)」



 などと言いつつ、手元のカツサンドもせっかく温め直したところなわけで。

 俺は野獣の檻に入るような凄絶なる覚悟を決めて……、






「入りまs――――――」


「……………………。おゥ。久しいじゃねェかヨ」






 頭を切り飛ばされた。

 ……うぉお俺死んだ!? 死んでない!? あ、死んでない! よかったふざけんな!!!




「なにしやがる!!?」


「敵かと思った。許してくれ」




 と、

 ――彼女は、あまりにも呆気なく頭を下げて、


 それが俺に、否が応でも事態の深刻さを理解させる。




「……、……」




 予想していたより、彼女の状態はずっと酷い。

 妖艶に輝いていたはずの髪はボサボサで、睡眠を取っていないらしく目元が落ち窪んでいる。それでいて瞳が潤んでもいるのは、今もなお涙を流し続けているからである。


 しかしながら、それは『悲しいから』ではないのだろう。

 涙というのは喜怒哀楽全てに対応して流れる。一説では、「感情・・が自分の許容量を超えた時」に流れるのが涙だという。ゆえに人は、嬉しい時や楽しい時、感動した時だって涙を流す。



 そして、彼女の中で臨界点を超えた感情は、

 ……推し量る必要すらない。一目で分かるほどの『怒り』だ。



 俺は、絶句しそうになる。彼女はあまりにも見事に、ボコボコにされた自分の無力も、仲間のことも、うかつにも捕獲されてしまったゴードン氏さえも憎まず、敵だけに激憤を起こしていた。



「驚くべき体力だな。ずっとそうしてキレてたのか……?」


「キレてない。……とは言えないネ。そうだヨ、寝ても覚めてもずっとこんな調子だァ。ただ、アタシにしたらァ珍しいンでもねェのヨ。どォにもアタシァ、怒りって感情と仲良くし過ぎたネ。末永くヨロシクすんのァ、アタシにとっちゃ難しくもないことだ」



 俺は率直に思う。

 ――素晴らしい才能である、と。


 俺をしてさえ、怒りは風化を起こす。敵には応報をすべきという『怒り』によって世界を敵に回して人を絶滅させた俺でさえだ。


 怒りは、保ち続けるのに相当な体力を使う。大抵の人間は、疲れ切って結局は怒りを別の何かに変えることになる。

 月並みに怒りを『炎』に例えるとして、……相手への復讐を諦めてしまうならその炎は鎮火するだろうし、俺のような人間は怒りの炎を青く変える。


 彼女のように、「引火しブン殴られた瞬間レベルの激情」をそのまま数週間も維持し続けるというのは、素晴らしい才能だし異常な精神性コトでもあるはずだ。



「でェ、用事は?」


「一つは、昼食を持ってきた。これエイルの実家のお土産ね。アイツの爺ちゃんから」



「そら、ありがてェ。幾ら食っても腹ァ減ってナ」


「ブチ切れダイエットしてるようなもんだもんな。んでもう一つが」


「おゥ」


「そっちの状況を聞きたい。ただ仲間が捕獲されたってんじゃ、人間、そこまで・・・・にはならないだろ。なにがお前をそんなにも怒らせてるんだ?」


「……、……」



 ユイは、怒りに震える手で俺から『カツサンド』を受け取る。

 その手に触れて、俺は彼女が異常に発汗していることが分かった。それで遅れて、この部屋の滅茶苦茶な『湿気』にも気付く。


 頭に血が上りすぎて脂汗が流れっぱなしになっているのだ。

 こいつ、血管キレて死んじまうんじゃねえの……?



「ゴードンはヨ」


「……、……」



「昔ナ。アタシォ助けるために、呪いォ背負った」


「呪い?」



「呪いってのァ、宿業ってナ。人に背負える量がァ決まってる。……当時ン敵ァ厄介も厄介でヨ。相手ェ呪ったら天下逸品。ソイツにウチらが目を付けられた時に、ゴードンは自分が背負えるギリギリの呪いを背負ったんだヨ。それで、呪いはそれ以上背負えないから、当時の敵は鎧袖一触よナ。何せ呪われねェ奴からすればただの雑魚だァ」


「……。」



「――。大切なモンをなんでも差し出すって言ったら、悪い神様はゴードンから、アタシたちと末永く生きる未来ォ奪っていきやがった。だから普段はヨ、無駄に生きねェように凍らしてやってンだけどナ? それが、……多分、今は出来てない」


「約束通り丁重に扱われてはいるだろうけど、でもゴードンに必要なのはコールドスリープだってことか?」


「そうだネ。そうだヨ。そうなンサ。……あァ、すまねェ。出てってくれ。思い出したら、こうヨ。叫びだしそォだ」


「……」



 俺は敢えて、その言葉を無視する。



「それでも、現状は動けない。宣戦布告までお利口さんに武器は仕舞っておくってハナシじゃなくて、シンプルに後手に回ってるから。……勝手に動けば負けるから、今は動かずにいるしかない」


「ナァ。……頼むヨ。泣いて叫んでるアタシァ、それァそれァカッコ悪ィんだァ。見られたくない」




だから、提案な・・・・・・・。……もうキレて良いぞ。向こうに飛んでって良い。お前に、――仕事を渡しに来た。お前の得意なヤツだ、ロリ・・


「――。」











 ……………………

 ………………

 …………











 一週間後。

 不穏な気配が席巻する王都に、二つの派閥が出来上がっていた。



 一つは『特級派』。

 彼らは異邦者の権利拡張に同調を示し、異邦者宣言の時点で「特級がバックについている」と宣言した準特級冒険者、レクス・ロー・コスモグラフとグリフォンソールの元へと集う。



 一つは『この世界派』。……或いは『世界派』

 この世界の秩序を破壊する行為に反感を示した異邦者や、この世界の既住民が (主に『組織レベルの出資者』が発注した大規模クエストという形で)募った有力な冒険者の群体である。こちらは、現在までに組織化はされておらず、各々が小規模なグループを結成している程度。



 その上で、この街に集まった「参加の確定した戦力」は『特級派』が7割、『世界派』が3割である。……一応、この「参加戦力」の総数の三分の一ほどの「非癒着戦力」も存在する模様。


 彼らはこの有事を一つのビジネスチャンスと見ていて、どっちつかずのスタンスを徹底した傭兵業や物資の売り込みに従事している。……捕捉すると、「どっちに着くかを決めた傭兵や商人」はそれぞれの派閥の参加戦力として計上している。この三分の一のコウモリは、逆に言えば『どちらの勢力も使用可能な戦力』と言い変えることができる。


 さて、


 戦争の匂いを忌避した一般人は、既にこの街をおおよそ出払っている。今この街に居るのは、有事需要に自分の命までを投資ベットした一般人と、そして『戦力群』だ。

 はっきり言えば、この街の経済は完全に崩壊している。王都を放棄したアダムの意思は不明だが、とかく「経済が消失した都市」は今、主に『戦力』の群衆が間借りするような形で運営をしている。



 場所は、とあるホテル。


 その施設の一つ、――豪勢な立食設えの大広間が、『世界派』のグループトップが一堂に会する『世界派のサミット』として使用されている。


 ……なお、このホテルは「有事需要に命を投資した経営者」によって一応は平素通りの運営がなされていて、参加者は全て、しっかりと参加費用を巻き上げられている。



「(……顔ぶれは変わらないわね。で、どれも有名人)」



 群雄割拠の大広間にて、

 彼女、――桜田會幹部の一人、ハィニー・カンバークは静かに手元のグラスを揺らす。


 流水のように清廉とした亜麻色の髪と、スラリとしたシルエット。普段の彼女はここにスーツを着ているが、今日はゆえあってドレスと冒険者衣装と半裸の折衷案のような『悪目立ちをする格好』である。


 さて、そんなふうに威風洗練とした立ち居姿の彼女ではあるが、……周囲の冒険者たちが彼女に送る視線はストレートに下品な視線である。


『誘い受けサキュバス』、『俺たちの女王様』、『俺を産んでくれたママ』、『オタクに都合が良いタイプの風紀委員長』、『童貞殺し〈EX〉』、『隠れスケベ図書委員SSSランク』、『バスコ国の裏の女神』……、それ以外にも様々かつ多種多様な夜関連・・・の通り名を持つ彼女は、風紀委員長みたいなルックスとは転じて性に奔放かつ積極的である。そんな大前提があるからこそ、異邦の冒険者たちは生でおっぱいを見るような視線で彼女を見ていた。


 ……別に誰でもいいというわけじゃないハィニーからすれば、当然ながらその視線は気色悪いだけである。しかしそれとは別にムラッとは来た彼女は、試しにその連中を射殺すつもりで妖艶な流し目を振りまいてみて、


「(――10cm。8cm。12cm。……25cm。アイツの顔は覚えておこうかしら。あとあそこの1、5cmクンも)」


 今日、彼女は「全力でやりたいようにやっていい」と言われてここに来ている。

 ゆえに、普段なら全世界の女性が桜田會の事を丸ごと嫌いになりそうな真似でも躊躇なく行う。


 ……元来、彼女にとっては桜田會の外にいる人間からなどどれだけ嫌われても気に障るのみなのだ。

 自分よりもブスだから男を寝取られた不細工からの嫉妬など、腹の虫の居所が悪い時で微かに鬱陶しい程度である。


 しかし――、



「(……、淑女面したクソ処女どもからグラスの一つでも飛んでくるかと思ったけど)」



 実のところ、……彼女の高性能な「を測る目」は、少なくない数の『ゼロcm』を計上していた。


 ピクリとも興奮していない手合いの視線ではない。彼女の目と経験則は、正確に『興奮最高潮のサイズ』を測っている。ゆえに、その計測結果が導き出す答えは……、



「(まさか、……お、女も私に欲情するなんて)」



 恐るべきは異邦者共の業である。おっぱいなんてお前らにも付いているだろうに。

 しかしながらその視線はちゃんと(?)欲望に誠実なものだ。そして、ハィニーには特に女色趣味はない。



「(ちょっと……、上着着とこ……)」



「あ! 照れてる! 照れてるんだ可愛い! エッチな女の子なのに照れてるんだ!」


「照れて胸を隠したわ! 見てよあの小動物みたいにプルプル震えてる仕草! 持ち帰りたい! 私の工房でずっとメイドをして欲しい!」


「馬鹿ねあのお姉さまは私を踏む仕事に永久就職すんのよ! 匂い嗅がせて! 足指の股を重点的に!」


「(引いて萎える男陣)」



 ……まあ、予定通りではないが目標は達成である。


 彼女、ハィニーは、最終的に着込みすぎてモコモコの冬仕様みたいになりながらも、異邦者少女たちの視線を一身に受けながら立食会合の開始を待った。






 /break..






「(なるほど、この世界って地獄だったんだ……)」



 と一人納得するのはリベットである。

 場所は、ハィニーと同じ立食会合の場。


 ――さらに、視線を這わせればここには、他にもエイルと『逆条六席』の理性のフォッサも参加している。ただし、ハィニー以外の面々はそれぞれがそれとなく人の視線を逸れる位置に陣取り、また格好も、顔の露出を避けるために帽子やフードを違和感なく被れるモノを選んでいる。


 しかしながら、



「(これで5人目。……鑑定スキル持ちはこの場の大抵がそうだけど、事情通は思ったよりも少ないのかしら)」



 リベットを見て「特別な仕草」を取った異邦者の顔を、彼女は指折り数えるように脳裏に刻む。


 ……この場において言えば、例えばリベットの持つ『スキル:邪神の巫女』は、破格であっても同水準レベルのスキル持ちも少なくはない。

 そんな状況で、それでもリベットの姿やステータスに驚愕する人物がいるなら、その驚愕の根拠はステータスそのものではなく『彼女の名前』の方にある。



「(私の名前を知っていて、私がだって察しているのが5人。……エイルを見て『バスコを裏切ったテロリストってことになってる元騎士』だと気付いたのも5人で、フォッサさんを『北の魔王の星墜とし』と気付いたのが8人)」



 フォッサの正体に気付いた人間が多いのは、……彼女の魔族由来の巻き角が、被ったフードを歪にしているためだろう。他にもこの大広間に魔族は少なからずいるが、それでも多少の悪目立ちは仕方ない。



「(で、私たち全員に気付いたのが何人か。……もう少ししたら、もっと増えるでしょうけどね)」



 その人物らに、彼女はそれとなく視線を投げる。

『悪人』ベクター。『大いなる剣』キリウ。『清廉』アイリーン。他にも、どれも名を聞いた事のある人物だ。



「(よし、とりあえずここまでの冒険者の顔は覚えた)」



 リベットは、冒険者たちの活気を逸れて静かな位置へ移動する。

 そして、念話スクロールを起動。周囲の冒険者たちは、この大広間自体が自分自身らの発露する「特異魔力の本流」の坩堝であるため、念話魔術の起動には気付かない。



「もしもし」


『お、もう見繕えたのか? 一応聞いておくけど、誰にも気づかれてないよな?』


「ええ、まだ待ち時間中だからね。エイルもフォッサも「自分に気付いた要注意人物」を覚えるのに集中してるわ。ちなみに、ハィニーの悪目立ちも、……まあ大体予定通りだよ」


『? まあ大体イケてんならいいや。じゃあ仕事宜しく』


「ええ」
















 /break..
















 ――他方、某所にて。



「待った。ここは『特級派』の集会施設だよお嬢ちゃん、入ってきちゃいけない。……どうしたのかな、格好が少し汚れてる。もしかして、どこかから逃げてきた奴隷かい?」


「私は、……ロリと言います。ひっどいご主人様から逃げてきたんですっ(小動物みたいにふるふる震えながら)」




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