サキュバス、諸行無常の響きを奏でました1

 久しぶりの何もない休日ーーーーーーーーーーーーーーいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃやっほぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉっぉぉぉ!


 いやぁようやく一息! ゴス美の食事会もピチウのジャス子もマリの水族館(※1)もプランの博物館(※2)も全部クリア! コンプリート! 残すは来週に控えた阿賀ヘルとの食事会だけだが、その谷間にできた束の間の、本当に束の間の自由な休日! あぁ長かった! この日をどれだけ待った事かぁ! 元来俺はソロプレイ派! MMOでもFPSでシングルで遊びたいタイプの人間! 強力プレイよりも対戦したいタイプ! にも拘わらずこの一ヵ月人に付き合いっぱなしで本当に本当に本当ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉに大変だった! 疲れた! 疲労困憊! 満身創痍! 百孔千瘡! とにもかくにも精神が底値! 心の力はとっくに尽きてザケルすら撃てねぇ! 誰かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁファウードの回復液をくれ~~~~~~~~~~~がぶ飲みしてぇ~~~~~~~~~~~~~回復してぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ心の力をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! そういえば金色のガッシュの続編がやるんだってね! 連載は途中で追えなくなっちゃったんだけど続編やるなら一から読んでみようかな! サブスクか漫喫かポイント使って電子書籍の購入か迷うところだけどもやっぱり読むなら紙がいい! 本はアナログがしっくりくるよね! え? こない? 風情を知らぬ奴め! でも雷句誠先生、俺はVECTOR BALL待ってますよ。今の時代難しいと思いますがあのノリは唯一無二だと思います。商業的な作品も勿論素晴らしいですが独自の世界観を貫く路線も僕は好きなのでいつか続きを書いてください!





 コンコン。



 ノック。

 誰だ? いや、分かるぞこの気配。というか、朝っぱらからわざわざ部屋を訪ねてくるような奴は一人しかいない。それは……


「ピカ太さん。ゴス美です。朝食のご用意できておりますが、いかがなさいますか?」



 ほいきたゴス美。知ってた。

 本来であれば素晴らしき休日の初めに美味しいご飯を頂きたいところではあるが……



「……あ~~今日はいいや」



 ちょっと拒否。すまんが一人にさせてくれ。



「そんな事言わず。せっかく準備したんですから、召し上がってください」



 食い下がる~~~~~~

 ……しゃあない。



「……そういうのであれば、いただこうか」


「はい、分かりました。それでは、ご飯をよそっておきますね」


「……ありがとう」




 ……




 行ったか。


 なんかなぁ。やっぱりゴス美の様子が変なのだ……

 言葉だけは普通なんだけども、未だにおかずが妙ちくりんな事があるし、俺の食器だけ洗ってなかったりするし、夜な夜な呪文が聞こえてきたりするし。いったい俺が何をしたというんだ。

 ……いや、知ってる。ホテルで据え膳ノーセンキューからのダッシュでエスケープをかましたからだって、そんな事は分かりきってる。

 でもさぁ。そんなに尾を引く? もう何日も経ってるんだよ? そこまでの事かなぁ。だいたい陰険なやり方だよ。正直にいってくれればこっちだって「すまんな」と素直に謝れるっていうのに。


 ……ボヤいても仕方がない。どの道非は俺にあるらしいのだから、甘んじて罰を受けねばならぬだろう。どれ、今日もブロッコリー入りのみそ汁だの納豆の天婦羅だの空心菜の水煮だのといった類の奇天烈料理をいただきますかっと。ま、実際まずくはないからいいんだけどね。


 起立。ドアをオープン。廊下を徒歩徒歩。階段下ってリビング到着。おはようみんな。今日も地球は青かった。



「あ、おはようお兄ちゃん」


「おはようございますピカ太様」


「あぁおはよう。早いな二人とも」



 マリとプランめ、もう茶碗が空じゃないか。まだ七時だぞ。休みの日だってのにどうしたんだ。ニチアサかぁ?



「今日はね! 野球があるの! 勝てばAクラスだよ!」


「負けられない戦い。つまりは天王山なのです。これは熱い。まさに川中島」



 京都なのか山梨なのかどっちか分からんし川中島は決着付かなかったろ。というか……



「マリがいるのに首位じゃないんだな」



 間違いなく人類最高戦力である人造人間マリがいながらAクラス争いしてるとか不甲斐なさすぎだろ。



「私はハンデ付きでやってるからね」


「ハンデ?」


「うん。ピッチャーの場合は左投かつ変化球禁止で球速七十キロ以下に抑える事が条件で、バッターボックスに立った場合はツーストライクから。内安打は暫定アウト。ホームランはツーベース扱い。盗塁禁止。これに加えて左打席かつ下位打線限定でオーダー組まなきゃいけないんだ」


「なんだそりゃ。小学生時代のゴーゴーゴジラくんより制約多いじゃねぇか」



 そんなんで楽しいのか?



「それくらいしないと勝負にならないしねぇ……そんなわけで最近は選手はそこそこに監督やってるんだけど、これが結構面白くって。私が出なくても上級生のチームといい勝負できるようになってきたんだ」


「そうか」



 将来有能な野球人だな。将来野球選手とかになるのかな。パワプロでは掃いて捨てる程女キャラクターがいるが、実際にマリがプロ入りしたら結構センセーションだろうなぁ。




「じゃ。私達行ってくるね!」


「行ってまいりますピカ太様。よしなに」



「はいよ。頑張って」



 出ていったか。それにしても元気だなぁ。俺もあれくらいの活力が欲しいよ。



 ※1 ネタが思いつかなかったのでその内おまけで書きます多分。

 ※2 行った事がないので書けませんでした。行ったら書きます多分。

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