『廃人』

いわく。彼女は廃人であったと。

存在すら末梢され、今や人の口にも上らない。


立派な邸の薄暗い地下。

人知れず地上から光が差し入る豪奢ごうしゃな部屋。

一流の家具に宝飾。美しい衣装に身を包んで。

言葉を失うほど麗しい容姿で、館の主を魅了し従えていた事など、

ごくごく一部の者の心に秘められている。

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監禁主を堕落させて飼いならす姫君。

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