本当の自分を探して旅をした。

探せば探すだけわからなくなって探し続けた。

どこでも生きる事ができるようになり、誰とでも仲良くできるようになった。

体が動かなくなったのは故郷から遠い空の下。

閉じた瞼の裏には、もう待てないと余所へと嫁ぐ君のドレス姿。

生まれ変わったらもう見失わない。

------Ver.　Answer

本当の自分を探すと言い、彼は旅立った。

時折届く便りや、帰ってくる痩せて汚れた姿。

心配だと伝えても存外上手くやっているなんて。

遠い空の下へ届かない言葉を重ねる気持ちなど知らずに。

待てないと彼から逃げた。

幸せな家庭を築いた。

最期に瞼が落ちた時、彼は漸（ようや）く迎えに来た。

遅すぎるよ。

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どっちも捨てきれずに両方！

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