結婚しよう、メイドさん
結月アオバ
おい、10年経ったぞ。結婚するぞ
「今日からお前の専属メイドとなったーーーーだ」
「よろしくお願いしますね、坊っちゃま」
ニコリと、俺に笑いかけてくる年上のメイド。俺の心は一発で、そのメイドに心惹かれてしまったんだ。
当時、俺が8歳の頃だ。
フッ、あの時の俺は開幕一言が「幸せにするから俺と結婚してくれ」だったっけか?あまりにも急ぎすぎでないか?俺。父上もメイドも驚いていたな………。
まぁいい。それで一目惚れしてから始まった恋だが、あのメイドがそばに居るだけでどんどんこの恋心が大きくなっていく。
「おい、メイド。いつになったら俺の告白に返事をしてくれる」
「…………へ!?」
あのメイドが俺の専属になってから2ヶ月。待ちきれなくなった俺はついついそう聞いてしまった。何やら悩んでいたメイドだが、何やらポンッ、と手を叩くとーーーーーー
「それでは、坊っちゃまが10年経っても私のことを好きでいてくださるなら、結婚しますね」
と言ったのだ。
そう、ハッキリと言ったのだ。
だからーーーーーー
「俺は、貴女を10年思い続けた。さぁ、結婚しよう」
「…………え?」
10年。俺も18歳になり、メイドも26歳となった。歳をとってもその美しさは変わらない。綺麗だ。
「………えと………その」
「お前が言ったのだぞ。10年お前のことを好きだったら結婚すると」
「え!?坊っちゃま!あの約束覚えていたのですか!?」
「当然だろう?お前のことは一時も忘れたことなんてないし、お前以外の女なんてそこら辺の石と変わらん」
今までで告白はされたが、メイドの方が可愛いから、考えるまでもなかった。
「さぁ、式はどうする?日取りはーーーと、お前は俺のメイドだもんな。なら俺が暇な時に式を上げる予定を立ててーーーーー」
「あ、あの!?坊っちゃま!?」
結婚は先送りにされた。何故だ。
「俺はお前をこんなにも愛している。何が悪い?」
「いや、その……坊っちゃま、私も嬉しいですが、まだ心の準備が………っ!」
「ほう?心の準備が出来れば結婚するのか?」
「え………いや、その……」
赤くなっていくメイドの顔を見る。可愛い。
「……………その、私、もう26歳ですよ……?」
「関係ない。お前の美貌は10年前のままだ」
「えと……もうおばさんですよ?」
「? まだ20代だろう?」
お前でおばさんなら、既に俺の同級生はおばさんだ。
「ほら、行くぞ。父上に結婚の話をしなければならない」
「え!?あの、ほ、本当に待ってください坊っちゃま!!」
結局、また止められた。
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そうさ、100パーセント勢い
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