第13話2年間

優香里は、2年間治療してやっと病院の外に出られた。


病魔に負けたくなかった。


優香里のための引っ越しだった。


都心の中にある病院は近代的で何故かおしゃれだった。


闘病中は、基本的に母親が看病してくれた。


「翼君にさよならしなくて良かったの?」


「さよなら言ったらわたし病気に勝てないと思うから。」


母は、呆れたようにため息をついた。


高校は通えないので大検を取った。


翼がT大学を受験するのは何となく勘で分かっていた。


あなたは寂しくないですか?


わたしは、毎日、心で泣いています。


あの時、話せば良かった。


本当の言葉で表す事が出来てたら


こんなに苦しむ事はなかったのに…。


約束なしの再会を祈っていた。

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