第10話2年後

あれから2年の月日がたった。


翼の隣には高野舞がいた。


学校の帰り道、2人で進路について話し合っていた。


「翼は、T大学が第一希望?」


「うん。舞は、推薦でしょう?」


「本当は、翼と同じ大学に行きたいけどわたしの頭じゃあ無理だよ。」


「俺は自分がしたい事まだ見つからないんだ。とりあえず受験してみるよ。」


「わたしは、夢あるよ。」


「何?」


「翼と結婚して子供たくさん作る事。」


「そっかあ、ありがとう。」


「何で?ありがとうなの?わたしと結婚じゃあ不満?」


「いや、俺は幸せだなって思ってね。」


優香里がいなくなって舞と付き合い始めた。


1人で優香里を忘れる自信は翼にはなかった。


舞の明るさに惹かれた。


自分の中で翼は、ずるい男になっていると感じながら舞との時間を過ごしている。


「良いのかな?将来期待して?」


舞の明るい笑顔には勝てない。


「普通のサラリーマンの相手で良いからね。」


「全然、良いよ。逆にわたしが働いて翼が主夫になってもね。それぐらい好きだから。」


「それは、微妙だな。」


「翼は、優しいしやらせると何でも出来るから社会人になったら大変だよ。」


「そんな事ないよ。」


舞に何でも見透かされているようで怖かった。


こんな風に時間が過ぎて舞は短大、翼は大学に進学した。

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