第12話望菜美に見られたくないものを見られた

翌日。

俺は、姉さんと映画を観にショッピングモールに来ていた。

姉さんはがっちりと俺の腕から身体を離さない。

周りの視線が集まって、たえられない俺。

「咲姉、いい加減離れてよ。視線にたえられないんだよ」

俺は、姉さんの耳もとに口を近づけ、小声で離れるよう促す。

「リクちゃんてば、何でそんなに嫌うの?周りの視線になれないと生きていけないよ。リクちゃんの声を間近に聞けて嬉しい」

いつもの調子の姉さん。

チケットを買っていると、後ろから声をかけられた。

「牧平さん、ですよね。隣の方はかの、じょ...ですか?」

「ああ、火野さん。火野さんも映画を観に来てたんだ。彼女じゃないよ」

「リクちゃんの彼女で咲と言います」

「違うからね、火野さん。姉さんだよ」

火野さんが泣きそうになり、俺は否定して紹介した。

「咲姉、ややこしくなるからやめてよ。冗談を真に受けてしまうから」

俺は、姉さんに小声で怒る。

素直に小さな声で謝る姉さん。


映画が始まるまで、色々と話した。

俺の両隣に姉さんと火野さんが座る。

恋愛映画を観終えて、三人で昼食を摂ることにした。

火野さんが隣に座りたいと言ったのだけど、姉さんがいっこうに離れないため、俺の隣は姉さんで火野さんは俺の正面で昼食を摂った。

姉さんは、火野さんに目もくれずいつものように俺に夢中。

彼女は昼食を食べている間一度も顔をあげることがなかった。


火野さんの別れ際の切ない表情を最後に別れ、俺と姉さんは家に帰った。


姉さんは、いつものように母さんに怒られ、休日が終わる。



ちょっとしたアンケートを実施したいと思います。


主人公が最終的に付き合うとして、見たいのは先輩と付き合うか同級生と付き合うかどちらを読みたいですか?


応援コメントか近況ノートで答えていただけるとその通りにします。


ご希望があれば、ifルートも書くかも。コメントが多ければですが。

ご参加をお待ちしています。切実に。


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