スランプ、修学旅行、電気スタンド

「ここは、太斎治がスランプのときに缶詰をしていた部屋です」

 僕達は修学旅行で文学館に来ていた。小さな文机で電気スタンドが点いている。

「どうしてわかるんですか?」

「太斎がこの部屋から、『スランプで何も書けない』と手紙を送っているからです」

 そりゃ、作家はいつだってそう言うだろうよ。

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