第38話 積み重なる憎悪

『まったくもぉ……』


 お怒りだ。


『結局、どれだけ待たされたと思ってるんだ』


 とても、お怒りだ。


『しかもだ。あれだけ注意しておいたにも関わらず、この体たらく』


 すごく、すごぉく、お怒りだ。


『ほんと……さーせん』


 僕は最大限の謝意を込めて、お詫びの思念言葉を送った。


 はぁぁ……。

 やっちまったなぁ。

 所詮しょせん、僕ぐらいの年齢としで『寸止め』なんて出来る訳が無いんだよなぁ。


 そっと肩の上に目を移せば、憤懣ふんまんやるかたない様子のクロがそっぽを向いている。


 そうだよなぁ。

 そうなるわなぁ。


 なにしろ、により途中で何度も中断する羽目に。

 結局香丸こうまる先輩のCOREを入手する為だけに、三十分以上もの時間が掛かってしまったのである。


 こんな事になるなら、最初から手だけ綱いどきゃ良かったって話だよな。


 しかも、これまたにより、気付けば『精も根もつき果てた』状態となってしまった。


 流石に三十分で三回は……キツイ。

 一日かければもう少しイケるんだけど、この短時間に集中って……。


『クロォ、本当にゴメンよぉ。出すなって言われてたのに、三回も出しちゃって』


『……』


『ねぇ、クロォ……』


『タケシ。言っておくが、別に三回出した事を怒ってる訳じゃない。どちらかと言うと、この短時間で三回も出せるのだから、それはそれでなかなか見上げたヤツだと思ったぐらいだ』


『そっ、それはどうも。ありがとうございます』


『そうでは無く、お前が三回出した後に「もう出ない……」などと弱音を吐くから私は怒っているのだ。出せるなら何回出してもらっても構わない。但し、本来の目的を忘れてもらっては困ると言う話だ』


 あぁ……ご高説、誠にごもっともでございます。

 別に三回だろうが、十回だろうが。本来の目的さえ達成できれば問題は無いって事ですよね。うんうん。確かにそうです。その通りで御座います。


 すでに『大賢者モード』となった今の僕の場合、ココに全裸の美少女が十人現れたとしても全くそんな気持ちには……。

 いや、五人だったら……。

 うぅぅん。三人……二人、一人……。

 うん。

 一人でも大丈夫そうです。

 えぇ、やれます。はい。らせて下さい。


『なんだ、そうか。それであれば問題はあるまい。さっさと「闇の洗礼」を終わらせて、情報を入手するとしよう』


 あぁ、はい。がっ、頑張ります。


 そうなんだよなぁ。

 問題は次が四回目か、五回目か、じゃ無いんだよなぁ。

 最大の問題は次が三十路みそじを過ぎたオッサンだ……って事なんだよなぁ。


 香丸こうまる先輩は既に 綾香あやかの待つ別部屋へと避難してもらっている。

 別れ際にもかなり濃厚な接吻ちゅーを交わすぐらいだったから、彼女の方は全然満足してはいなかったんだと思う。

 本当に申し訳無い事を致しました。

 この埋め合わせは、後ほどしっかりとさせて頂きます。

 えぇ、だけに。


『くだらない事言って無いで、さっさと準備しろっ』


『へぇぇい』


 僕はクロの命令に渋々返事をすると、自身の洋服をたたんでリュックの中へ。

 そしてバスタオル一枚を巻いた姿で、暗闇に覆われた部屋の奥へと進んで行った。


 残念ながらクロの方も夜目はあまり利かないらしい。

 普通ネコって暗闇でも見えるって言うけど。

 クロの場合は縦長の瞳孔を持ってるのに、タペタムは備わっていないって事なのかな?

 そう言えば同じ縦長の瞳孔って言えばキツネもイヌ科だし。色々と中間的な存在なんだろう。

 まぁ、地球感覚の動物分類が当てはまればだけど。


 半ば手探りの状態でベッドの方へと近づいて行く僕とクロ。

 すると、ベッドの方から軽いイビキが聞こえて来た。


 あぁ、こっちが頭か。

 となると、尻の方はコッチ……と。


 ふぅぅ……。


 でもまぁ、暗闇で良かったかもしれないな。

 これで酔いつぶれたオッサンの顔をみながら「闇の洗礼」をするなんて、あまりにシュール過ぎる。

 そんな事言ったら、佐竹の時は完全に真昼間だったけどな。


 ――カチャ、カチャ……ズル……ズルズル……


 近藤さんの衣服も脱がせて準備OK。

 さて、それでは早速……と行きたい所だが。

 やっぱりと言うか、当然と言うか……。

 僕の方の準備が整わない。


『クロォ……』


『なんだ?』


『いつものヤツ……お願いできませんでしょうか?』


『ほらみろ、やっぱりさっきあれだけ……』


『いやいや、アレとは全く関係なくって。そうじゃなくて、普通の時でもコレはやっぱりキツイんですよぉ。だって僕にはソッチの趣味が無いんですものぉ。これご褒美じゃ無くって苦行なんだもの、艱難辛苦かんなんしんくなのだものぉ!』


 そんな僕の訴えに、なかば呆れた様子のクロさん。


『仕方が無い。それでは前回同様、どっちが良い?』


 はうはうはう!

 来た来た、来ましたよっ!

 ご主人様のわくわく選択チョイスターイムッ!

 ホント、ご主人様ったら、なんて優しいのかしらっ!

 どっち、どっちにする?

 うぅぅん! 良しっ、決めたっ!


 前回はご主人様にお願い致しましたので、そう何度も『おかず』になって頂くのは気が引けます。そこで今回はっ……!


『んんっ?』


 ……はっ!? いっ、いいえ。『も』、『も』でございます。

 たっ、大変申し訳ございませんが、この大役をお任せ出来るのはご主人様しかおりません。是非今回、『おかず』としてのお役目、お願いできませんでしょうか? 伏して、伏してお願い申し上げる次第で御座います。


『ん? そうかぁ? 仕方が無いなぁ』


 くっ! またもや忖度そんたくしちまったっ!

 さっきは香丸こうまる先輩の濃厚な色香に惑わされたばかりだからな。

 今回は綾香あやかのツンデレ具合が丁度良いかと思ったんだけど。


『ん? 何か言った思ったか?』


 いえいえ。とんでもありません。

 お手数をお掛けしますが、何卒よろしくお願い致します。


『そうか。お前がそこまで頼むのであれば、仕方があるまい。かく言う私も先ほどまでの香丸こうまるの所業に引きずられ、少々発散したい気分ではある』


 なんだよぉ、クロだってノリノリなんじゃ……んっ!


 突然、辺りに立ち込める高密度な蒸気。

 スプリンクラーが誤動作するんじゃ? などと、つい余計な事を想像してしまう。

 そんな蒸気が消えやる間もなく、誰かが僕の頭を両手でガッシリと掴んだ。


「ん……んん!? ……うぅん!」


 口と言わず、頬と言わず。

 粘着質でザラザラとした物体が、僕の顔全体をねぶり倒して来る。


 ――ピチャ、ぴちゃぴちゃ。


『はぁ……っはぁ……美味びみ美味びみじゃあ……』


 ……まっ、マジで食われるかも……。


 そんな一抹いちまつの不安を感じつつも、その蠱惑的こわくてきな感触と吐息は僕の本能レベルの欲情をき立てて止まない。


 こっ、これは……あと三回ぐらいイケるかもしんない……。


 くっ! また本来の目的を忘れてしまいそうだっ!

 ただ、今回はクロご主人様所為せいだけどなっ!


 ◆◇◆◇◆◇


 ――ブシュゥゥ!


 濃密な蒸気が収まると、その中央に現れたのは絶賛正座中の僕……か? あれ?


 えぇっとぉ……どうなったんだ?

 ご主人様が『おかず』を提供してくれる事になってぇ。

 めちゃめちゃ野性味あふれるチューが始まった所までは覚えてるんだけど……。


 うぅぅむ。

 またもや記憶が飛んでいる。

 って事は、僕の身に何かマズい事があったって事?

 いやいや。

 そんな事より、僕の両肩にし掛かるこの重みは何だ?


 の原因を探る為、そっと自分の胸に手を当ててみる……。


 おぉぉ……。

 良き張りハリ、良きアツ、良きカタチ

 純真な男子高校生の琴線きんせんに触れるこの物体はっ!?


「あ……っ!」


 ヤベッ! 変な声出そうになった。


『タケシ! 何をしている。前だ、前を見ろっ!』


『え? クロ? 前……って?』


 眼前の暗闇が突然うごめき始めた。


「あ……あんっ!」


 突然、何者かに抱き付かれたかと思ったら、そのまま押し倒されてしまったではないか。


 なっ、何だ、何があった。

 って言うか、今度こそ変な声が出ちゃったぞ!

 さっきは折角我慢したのにぃ!


 ……ん? 待てよ。

 この声……僕の声じゃあ無いよなぁ。

 って言うか、これって香丸こうまる先輩の声じゃ……。


『タケシ、気付いたか。近藤が目を覚ました。まだ寝ぼけている様だが、もしもの時の為にお前には香丸こうまるの姿になってもらっている』


 なるほど。それで僕の声が先輩の声になってるんだ。

 でも、記憶が無いのは……どうして?


『あぁ、言い忘れていた。直前のお前からの伝言だ。今回も決して記憶を見る事無く消去DELETEしてくれとの事だ』


 クロさん。

 そこ……重要。ホント重要。

 とっても、とっても重要な所ね。

 そこの所キッチリ伝えておいてもらわないと、取返しのつかない事態になる所でしたよ。


 結局今回も『闇の洗礼』は壮絶そうぜつを極めたと言う事なんだろうな。

 クロとのラブラブな接吻ちゅーの感触を放棄してでも忘れたい記憶。

 ここまで来ると、ちょっとのぞいてみたい気もしないでは無いけど……。


 うぅぅむ。少なくとも少し前の僕自身が『決して見るな』と判断した所をみると、やっぱりのぞかない方が身のためだろう。


『芳美っ、芳美ぃ!』


 僕に覆いかぶさる加藤さん。

 そんな彼の口からこぼれ落ちるつぶやきは。


 あぁ……奥さんの名前かぁ。


 取り込んだばかりの近藤さんのCORE

 試しに『芳美』と言う名前で検索サーチしてみれば、出るわ出るわ。

 二人の楽しい思い出ばかりが目白押めじろおしだ。


 なるほどぉ。

 この人、奥さん愛してるんだろうなぁ。

 でも奥さんと間違えたとは言え、こんなビジネスホテルで僕のおっぱい吸ってる様じゃ、その愛の深さとやらも怪しいもんで……。


 まるで赤子の様に僕の胸……とは言え、実物は香丸こうまる先輩の胸なんだけど……をまさぐりながら、一心不乱に吸い続ける近藤さん。


「うっ……うぅん」


 もぉ! また変な声が出ちゃったじゃん!

 元々僕とバスルームで乳繰り合った後のCOREなもんだから、先輩の体は既に準備万端。

 めちゃめちゃ敏感な感じになってるんだものっ!

 って言うか、近藤さんの、近藤さんの舌使いが悪いんだからねっ!

 ホントだよっ、本当なんだからねっ!

 なぁんて思っていたのも束の間。

 寄せては返す悦楽の波動が、徐々に僕の意識を奪い去って行く。


 こっ、これっ、ちょちょっ、ちょっと待って、待っ……あぁぁ……。


 ……そして。


 ――サラサラサラ……。


 温かい日差し。見渡す限りの草原。

 吹き渡る風はとても心地よく、僕の髪をすり抜けて行く。

 そんなのどかな草原の中央に、ポツンとたたず瀟洒しょうしゃな扉。


 ふと気付けば、なぜか僕の右手には、桜色に輝くその扉の鍵が握られていた。


 そうか……。

 これがあの有名な『新しい世界への扉』かぁ……。


 そうだな。

 男としてのはそこそこ楽しんだ。

 これからは、この新しい扉の向こう側へとおもむくのも一興では無いだろうか。


 いや、待てよ……。


 もう一方。

 僕の左手には、若草色に輝くもう一つの鍵が。


 こっ、これはっ!


 僕には分かる。

 誰に教えられた訳でも無いけれど、僕にだけは理解できる。

 そう、この鍵は、あの扉の向こう側から、またこちらの世界へ戻る為の鍵だ。


 いま僕の手の中には二つの鍵がある。

 そう、どちら側の世界へも自由に行き来できる。

 夢の様な魔法の鍵。


 何と言う幸運、何と言う僥倖ぎょうこう


 いつでも、いかなる時でも、僕はこの扉を行き来する事が出来るんだ。

 さぁ、踏み出そう! 新しい世界へ。

 さぁ開け放たれよっ! 新たな快楽の扉よぉぉっ!


 そう! 海賊王に僕はぁぁ、なるっ!


『おいおいおい。一人で盛り上がってる所悪いが、なんだか近藤の様子が変だぞ』


 この思念は、既にリュックの中へと逃げ込み済のクロからだ。


 チェッ!

 せっかく良い所だったのにぃ。

 このまま進めば僕は『女体の神秘』を解き明かす事が出来たかもしれないんだぞぉ?

 もぉ、ぷんぷん!


 ……あぁ、イカンいかん。

 香丸こうまる先輩の体にChangeしてから、感覚がちょっとズレてるかもしんない。


 ちょっと落ち着こう。

 一旦深呼吸しよう。


 ふぅぅ……。


 その上で、僕の体を絶賛もてあそび中の近藤さんに注意を向けると。


 あれ? 確かに様子が少し変だな。


 先程までのむさぼる様な感じは影を潜め、なんだか僕の胸にすがってむせび泣いている様にも見える。


『ごめん……ゴメンよぉ……、本当にゴメン、許してくれぇ……』


 あぁ、やっぱり泣いてる。

 近藤さんったら、一体どうしたんだ?

 奥さんと喧嘩でもしたのか?


 僕は近藤さんの最近の記憶を中心に、もう一度探りを入れてみたんだ。


 なんだ、近藤さんったら、最近飲んでばかりだぞ。

 荒れてるなぁ……。

 って……え? これって……お葬式か?

 自分の知る葬儀では無いな。

 恐らく、この宗教団体特有のものなのだろう。

 それでも黒いスーツを着込む大勢の人達が見える。

 祭壇には多くの花が飾られていて……その中央に掲げられた遺影には。


 あっ……奥さん……だ。


 つい最近、奥様を亡くしたんだ。


 それに……え? どういう事?


 口さがない人達のうわさ話。

 それが近藤さんの耳にも入ってくる。


『奥さん身重だったんだって……』『あらぁ、可哀そうに……』


 お子さんも一緒に……って事か。


 更に記憶をさかのぼる。

 この辺りの記憶はかなり曖昧だ。


 いや、曖昧なんじゃ無い。

 恐らく忘れたい……いや、消し去りたい記憶と言う事なんだろう。

 まるで古いビデオの様に画像記憶が時折歪んで見える。


 ん? 見た事のある景色だなぁ。

 あぁ、あの霊園だ。


 遠くに見えるのはトレンチコート男。その横に居るのは……金髪ドS野郎っ!


『はぁ、はぁ……はぁ、はぁ!』


 何があったんだ?

 息を切らして近藤さんが駆け寄って行く。


 そして、墓石の影から彼らの足元を見てみれば……!!


「ヒィッ! ヴグッ!!」


 僕は咄嗟とっさに自分の口元を抑え込んだ。


 正視に……耐えない。


 この光景をリアルタイムで見た近藤さんの心中とは如何ばかりか。


 赤の他人の僕でさえ、その衝撃の光景に背筋が凍る。


 四散した肉片。


 破壊されて粉々になった墓石。


 血の海と化した墓地に横たわる二人の女性。


 一人は近藤さんの奥さん。そして、もう一人は……綾香あやか! いや、結香ゆいかの方かっ。

 僕の服を着ている所を見ると、結香ゆいかの方で間違い無い。


 そんな凄惨せいさんな現場に不釣り合いな笑顔を浮かべ、無言で立ち尽くす金髪ドS野郎


 おっ! ……お前がヤったのかあぁぁっ!!


 憤怒ふんどの感情と共に、突然意識が現実の世界へと引き戻される。

 すると、口元からあごにかけて、何やら生暖かい感触がつたう。

 右手の親指でそっとぬぐってみる。

 このヌルっとした感触……血だ……。


 恐らく歯噛はがみした時に、誤って唇を噛み切ってしまったのだろう。

 そんな痛みすら、一切感じない程の衝撃。


 どうしようも抑えきれない、いきどおりとにくしみの感情。


「絶対あの金髪ドS野郎だけは許さねぇ……」


 ……あ。


 心の声が思わず口をついて出てしまった。

 焦りながらも近藤さんの様子を伺ってみれば、僕の胸に抱かれたまま静かに寝息を立てている。


 最近はあまり眠れていなかった様だしな。

 自分の妻と子を守れなかった……。その事をずっと後悔していたんだろう。

 たとえ人違いだったとは言え、今回奥さんに謝罪できた事で、近藤さんの気持ちが少しでも軽くなってくれればと切に思う。


 僕は近藤さんの事を静かに抱き締める。

 相手は三十代の良い大人だ。

 そんな大人が、こんなにもかぼそく、もろいだなんて……。

 僕に出来る事と言えば、所詮この程度の事でしかない。


 クロは……何も言わない。

 恐らく僕と同じ気持ちなんだろう。


 それからおよそ一時間。

 ようやく落ち着いた近藤さんをベッドに残し、僕はその部屋を後にしたんだ。


「ねぇ、クロォ……」


『何だ、タケシ』


 誰も居ない四階のエレベータホール。

 時刻は深夜……と言うより早朝に近い。

 

金髪アイツの事……絶対に許さねぇから。だから……だから、僕に力を貸してくれないか。金髪アイツと一緒に、教団も必ずブッ潰してやるからさ」


『望むところだ。元々お前は私の奴隷。既に一蓮托生いちれんたくしょうだ。神をいつわる者どもに、正義の鉄槌てっついを下してくれようぞ』


「あぁ、そうだな……あんなヤツら……いなくなっちゃえば良いんだ……」


 僕の抱く憎悪の想いは、より深く、濃く……。

 それはまるで、深海に堆積するヘドロの様に、僕の心を静かに覆いながらみしばみ続けて行く。


るのは……ボクだ……ボクしか……いない」


『……』


 ――ポーン


 安っぽい電子音がエレベータの到着を告げた。


 そして、エレベータのドアが開いた途端。

 中の人の話し声がエレベータホールへとなだれ込んで来た。


「……ったいに間違いありません。フロントでも写真で確認しましたので」


「そうか。しかし携帯に電話しても出ねぇんだろ?」


「えぇ、まぁ。ただ、フロントの話だと一緒に泊まっているのは二十代ぐらいの女性って事なんで、例の防犯カメラの少女とは異なる可能性も……」


 こんな早朝にも関わらず、エレベータから降りて来たのは二人の男性。


 一人は二十代後半ぐらいか。


 そしてもう一人の方には見覚えがっ!


 ……くっ! 黒トレンチコート男だっ!

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