第17話
見えない顔
山東製薬のナカタというオペレーター
から亀沢に電話が掛かってきたの
は、土曜日の午後のことだった。
「わたくしナカタという者でございます」
ナカタというその女はオペレーター特有の
鼻に抜けた綺麗な声で、ヤセグスリ
の試供品を買うように勧めてきた。
「だから、いらねぇよ」
亀沢はしつこい勧誘に辟易していた。
「さようでございますか、でも」
「じゃあこうしよう」
亀沢がひとつの提案をした。
「俺と付き合ってくれたら、買って
やるよ」
亀沢はダメ元で誘ってみた。
「いいですよ」
ナカタが小声でそう答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます