第15話

      変な名前


変名名前(へんななまえ)は幼い頃から

いわれのない差別を受け続けて

きた。

「ヤーイ、変な名前」

「どうして、そんなに変な名前なの」

無茶苦茶である。当然ながら当人の責任

ではない。

いじめに遭い続け、それは社会人に

なった今でも続いていた。

「なあ、いじめって程度が低いって

思わないか」

会社の食堂でカレーライスを食べながら

変名が同僚の北川に言った。

「いじめってのは程度うんぬんの問題じゃ

ないんだ」

北川がつまようじで歯を🦷ほじり

ながら答えた。

「じゃあ、何の問題だよ」

「なんていうか、つまり伝統的っていうか

黒人差別みたいなもんなんだよ」

北川がつまようじをカレーライス🍛の

空き皿の上に置いた。

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