第280話 兄様の情報
「そういや、ヌロスレアに強そうなのは居たのか?」
父様とレグルス兄様とする難しい話を軽く流してそんな事を尋ねてくるラウル兄様。
これで最低限は把握してるのだから、流石はラウル兄様と言うべきかもしれないが。
「そうですね、とりあえず話した中ではヌロスレア国王の偽物が少し厄介かもですね」
「偽物かぁ……影武者とは違ったのかな?」
「ええ、確認した限りでは場内にはヌロスレア国王本人は居ないようでしたし、あの謁見の間に居たのがただの影武者とは思えませんでした」
あれだけの変身の魔法を使える魔法使いなんて、中々お目にかかれないし、何よりもあの謁見の間に居たメンバーからは少し違和感を感じるものがあったので警戒するべきだろう。
「それは楽しそ……ごほん、大変そうだな」
強敵にうずうずするのが抑えられなくて、父様からの視線に思わず本音を隠したラウル兄様だったけど、その顔は、その相手と戦いたいと如実に語っており実に分かりやすかった。
「ラウル兄様よりは弱いと思いますよ」
「そうなのか?」
「ええ、ただ搦手が得意そうなので相手にしても退屈かと」
「なら仕方ないな」
脳筋で物分りの良い我が兄だけど、きっとレグルス兄様に行くはずの筋肉が全てラウル兄様に行ったからこそそうなったのかもしれないと推察してみる。
まあ、ベースとなったのが超絶優秀な父様と、母様なので俺が出涸らしと言えなくもないけど……まあ、そこは末っ子補正ということで勘弁して貰うとしよう。
「そうだ、ヌロスレアといえばシリウスに伝えておこうと思ってたことがあったんだよ」
興味を失ったラウル兄様の代わりに、レグルス兄様がふと思い出したようにある情報を俺にくれる。
流石はレグルス兄様というべきか、父様やヘルメス義兄様とは別のパイプをヌロスレアにも持ってるようで、その情報は非常に助かった。
「この後は義弟くんの所に行くんでしょ?向こうも色々掴んでそうだし、存分に使わせて貰うといいよ」
「そうですね。尊敬できる兄様を持てて俺は幸せ者です」
「そうかな?でも、シリウスに恥じないように兄として出来ることはさせてもらうよ」
そう自然に返せてしまうナチュラルなイケメンぶり……うん、これぞレグルス兄様だよね。
ラウル兄様の素直で元気な所とか、それでいて凄いカリスマ性のある所とかも尊敬してるけど、レグルス兄様のこうした自然なイケメンぶりは相変わらず凄いと思う。
まあ、それらを更に極めたような父様みたいなチートも居るけど、何にしても俺も弟として、息子として恥じないように動けるといいなぁとしみじみ思った。
思うだけで実践できるは不明だけど、とりあえず婚約者達を幸せにするのにそれも必要かもだし頑張りう。
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