フール

ただ何をしようがされようが

無感動でいられたら

こんなに憎らしいくらい

あなたを愛することなんてなかった


騙し騙されてもういつでも

終わらせるべきだったの

一秒でも長く続けたらきっと

二人は離れられなくなる


手を繋いで歩くことも

笑い合う時間さえも

この部屋から出てしまうだけで

永遠に叶わない魔法と知る

見つめ合って 吐息交わして

目を閉じたらお姫様になれる

全部物語なんだと

あとはあなたがそう言い聞かせて



ただずっと尽くして尽くされて

そんな関係でいられたなら

こんなに苦しいくらい

あなたを愛しく思うこともなかった

呼吸するように嘘をついて

いつまでも隠すべきだった

一つずつ暴かれた心を

二人はもう認めるしかなくて


擦れ違って歩くことも

言葉を交わすことさえ

この部屋から出てしまったなら

永遠に戻れない過去と知る

抱きしめ合って 温もり感じて

目を開いたら女中に逆戻り

全部戯れなんだと

あとはあなたが言って王子様


そうあなたはただの主人

どうしようもなく不器用で

そのさみしさに触れてしまえば

寄り添いたいとしか思えなくなった

嘘でも嫌いなんて言えない

だからあなたが言って 言って 言って

終わらせて



冷たさだけ差し出し合い

どんなことも誤魔化せたら

何も変わらずにいられたけど

きっと本当のあなたに会えなかった



涙も笑顔も呑み込んでは

ただ同じ時を繰り返す

この部屋から出て二人はもう

そんな嘘をつける自信がない

名前を呼んで 愛を囁くことが

どうしようもない幸せだと

強がっていた時間の全部が

教えてくれているのだから

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