第4話 生気のない主人公達



 パタパタ羽を動かしながら、牢屋の中をぐるぐる。


 その眼下では、やはり生気のない主人公達です。


 各方面に苦情を述べてみたけど、誰も何も言ってくれませんでしたね。


 はい、天から説明の声が届くわけでもなかったのです。


 放置!


 説明書もなしに、バットエンドスタートで妖精種族はじまりはじまり、おまけに心を病んだ登場人物達が目の前にいる状況って。


 これ何の罰げーむっ!?


 いいかげんマイナス思考してるのも飽きてきたし、慣れてきたので、主人公達の様子を探ります。


 牢屋の中に入れられている人達はー。


 全体的に弱ってます。


 当然ですよね。


 この牢屋にいれた方達にとっては敵なんですから。


 かいがいしく捕まえた人を世話するような、魔族でないでしょうし。


 そんなだったら、主人公達戦ってないし。


 おや、重病人が一人いますね。


 風邪?


 ではなさそう。


 苦しそうにして脂汗を書いてます。


 これは、魔力枯渇の症状です。


 王女様ですね。


 生まれつき難病を患っていて、一日に一回お薬を飲まなくちゃいけないそうです。


 タイムリミットありですか。

 たぶん今日・明日にここを出ないとまずそう。


 他はけが人が一人。


 足を負傷してますね。


 申し訳程度に、包帯で巻いてます。


 たぶん手当した後に捕まったのかな。


 ずっと取り替えていないのか、赤黒いい血がにじんでいて、土とかでめっちゃ汚れてます。不衛生!


 他の面々は疲労とかかすり傷程度。


 残りはまだまだ大丈夫そうですけど、精神的には参っているのか脱獄のだの字もでません。


 というか一言も発さない。


 うわぁ、骨折れそう。


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