　わたしまでがそんな気持ちでいてどうするの？！　と自分を叱っているカヨさん。

　録画番組のなかで中国残留孤児のドキュメントをついついあとまわしにして……。

「どうして日本へ帰りたいのですか？」

「……人間としての尊厳の問題だから」

　敢えて過酷な質問をするリポーターに、凛然と答える残留“孤児”は８０～９０歳。

　何度も懸命に申請しても、中国政府も日本の厚労省もとりあってくれないのだと。

　罪もないのに祖国日本に見捨られたまま戦後７７年を経てしまった中国東北部での“孤児”たちの辛い現状に、多少なりとも仕事で関わって来たのに薄情な……と。

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