第297話 ばんしゅん

 

 

 

 黄水仙も菜の花も盛りを過ぎ、1枚ずつ丁寧に油を塗ったような椿の葉の向こうに、葉っぱのない花蘇芳はなずおうが赤紫の豆のような花をびっしりと咲かせている。生命力の旺盛な西洋タンポポが一面に蔓延り、すでに綿毛になっているものもある。


 淡くぼんやりと霞み、空の色と区別がつかない東の山並み。

 同じく水色に滲む西の山脈は北へ行くほど山巓に雪が……。


 「暮の春」そのものの4月下旬、カヨさんの散歩風景です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る