第240話 ぶこつ


 

 

 

 お昼のラジオで「なかにし礼特集」を聴いたカヨさん、思わず膝を打ちました。

 

 ――おお、それそれ! 作詞のみならず、すべての文芸に当てはまるよね?!

 

 コピーライター出身のなかにしさんは言葉の遣い方が巧みだったという内容で、従来の歌謡曲では敬遠されていた「過去」「仕事」など堅い言葉を敢えて遣うことにより、聴いた人が「ん?」と引っかかりを持つように工夫されていたのだとか。


 型にはまった作品は流麗なので、一時的には持て囃されても、すぐに忘れられてしまうけれど、無骨でもなにかが残る作品は、生き長らえるのではないかな、と。

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