第30話 もめん
カヨさんの履物はスニーカーと決まっていますが、ひとつ例外があります。
東の空がまだ明け初めぬ早暁、近所のコンビニへぶらりと出かけるとき。
人影も車もほとんどいない道路を、カード1枚だけ持って歩いて行くと、
――こんな感じで死にたいな。
そんな思いに駆られたりします。
間違っても、映画『ラストエンペラー』の冒頭に強烈なキャラクターで登場する西太后のように、身も心も虚飾でがんじがらめに塗り固め、2歳児の愛新覚羅溥儀からお化けだと恐れられ、皺を埋めた厚化粧のままで死んでいくのだけはいやだ。
できれば清潔で肌触りのいい木綿の寝衣に包まれ、自然にすうっと召されたい。
西太后のような富豪でもないのに、余計な心配をしているカヨさんです。(笑)
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