岩手県

四つの長編のうち一つ。やはり争いごとの解決は決闘で決めるべきである。彼は無粋にも刀を抜き、私は食卓ナイフを持った。どちらが勝ったかなど言うまでも無いだろう。

彼が運転する車に乗りこみ、最初の目的地を目指した。極楽浄土なんてよく言ったもので、所詮岩の塊である。だが、それがいいのかもしれない。

切り立った崖に赤い堂があった。神聖で荘厳な空気は私の胃を三十六キログラムも重くした。


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七十二というのは些か不安ではある。しかし、そんなことを気にしている場合でも無いのでそのままにして六十九を置こうと思う。そうか。無粋なのは私の方だったか。ふと笑いが込み上げてきた。クスクスと笑うと、彼が不審がって後ろを振り返ったので安全運転をしろと言ってやった。

割引キャンペーン中の昆布のおにぎりを半分食べ終わった頃だった。

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