第4話

 狐狩りだった。


「荒事になると、どうしてもチェインの力が欲しくてな」


 今回の同僚。黒いナイフの男。


「ナイトリボルバーは?」


「あいつはまだ寝てる」


「寝てるのか」


 もう昼過ぎだけど。


「昨日抱きすぎた。というか、最近あいつセックスが激しい」


「ブラックナイフのところもか」


 黒いナイフの男。こちらを見る。


「もしかして、お前の女もか?」


「うん。いつもは2日に1回なのに。昨日たくさんして、その上で今日ごはん食べた後にのしかかられた。セックスする前に彼女眠っちゃったけど」


 黒いナイフの男。ちょっと困ったような表情。


「参ったな。やっぱり狐は早めに狩ったほうがいい」


「何か関係が?」


「今、狐はナイトリボルバーが抑えているんだ。身体の中に閉じ込めてる。俺は、数時間おきに、その狐が出てこないように彼女を抱いてるんだが」


「チェインに狐は憑いてないと思うけど」


「そうだな。狐自体は俺の女が抑えてるわけだから、お前の女は単純に要求不満だろう」


「仕事をしたがらなくて。ごめんね」


「まあ、最後は殴り合いだからな。それに、ほら。俺は疲れてるから」


 黒いナイフの男。疲れたような顔ではない。いつも通り。


「ブラックナイフ。彼女を何回抱いたんだ?」


「昨日だけで15」


「そりゃあ、まあ、疲れるな」


「気持ちいいから、余計にやり場に困るよ」


「まあ、とりあえずは分かった。きみの精魂が尽き果てる前に、チェインと一緒に狐を見つけて狩るよ」


「頼むぜ。このままだと俺の遺伝子貯蔵庫が尽きる」


 そう言いながら、黒いナイフの男は少し楽しそうだった。

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