日本での買い物編③日本での今後の話をするにゃ

 まりのに抱っこされた後は、みんなで食事をしながら今後の打ち合わせをした。今後の一番の問題はエリクサー問題で、未だにまりのに頼めばエリクサーがもらえると思っている国や人が多くいるので、まりのの為にも何か考えないと窮屈な人生を送らせてしまうかも知れない。また来夢達にも近づいてくる人も少なくないそうだ。


『うーん、今後帰ってくるときに世界中に神託という事で話をするにゃ。その時にいろんな宗教のトップをどこかに集めるにゃ。フランスとかで集まってもらうかにゃ?』


「なんでフランスなの?」


『あんまり意味はないにゃ、海外に行きたいからにゃ!』

「えっ? そんな理由?」


『そうだにゃ、まりの達に海外を見せたいにゃ! 来夢も行きたいんじゃないのかにゃ?』


「そうね、フランスとか行ってみたいかも」


『お金もあるならセキュリティも考えてチャーターをするにゃ。護衛の人達も一緒につれていくにゃ』


「じゃいろいろ準備しておくからいつ戻ってくるの?」


『まりのが夏休みの時が一番だにゃ? 病院で一緒だったお友達も連れていくといいにゃ』


「わかった。なな子さんと一緒に準備しておくよ」


『お願いだにゃ、あとで法王の所に飛んでそれまでの準備をしておくにゃ』


「トラちゃん難しい話は終わったの? じゃ一緒に寝るの」


 そう言われてまりのに抱っこされてベッドへ連れていかれた。しばらく抱っこされていると寝息が聞こえるようになったのでまりのの腕から抜けてローマへ飛んだ。ローマで法王に面会してエリクサーの提供について、しばらくは提供できないのでまとめて渡しておいた。渡したエリクサーは以前に日本に植えた世界樹から出来た最後の分のエリクサーで、今後は近い将来に神託という形でエリクサーの出る世界樹を世界に1本植えるのであとはそこを世界で管理して欲しいこと。万が一それを元に争いに発展した場合にはその木は枯れることを宣言すると伝えた。

 これにより今後は世界の偉い人達が管理すれば良くなり、まりの達の手から離れる事になるだろう。まぁその後も時と場合では提供する予定だけどな……

 予想だけど結局は世界樹は枯れる運命になると思うんだよな、世界に1本しかなくそんなに量が取れるわけではないので絶対に公平に分配できるとは思えない。そんな事を考えながら日本へ転移してまりのの手の中に潜り込んで朝までぐっすり寝ることにした。


「トラちゃんおはようなの」


『おはようにゃ』


「今日帰っちゃうの?」


『そうだにゃ』


「寂しいな」


『また帰ってくるからにゃ、夏休みは海外旅行に行くにゃ』


「えっ? まりのも行けるの?」


『もちろんだにゃ、そこでエリクサーの話をして今後はまりのじゃなくて世界で管理してもらうにゃ。そうなればまりのに付き纏う奴も減ると思うにゃ』


「わかったなの、楽しみにしてるの」


 朝ごはんを食べ昨日買ったものをアイテムボックスに放り込み帰る準備をしていたら見慣れない箱を見つけた。なんだこれ?


「それ、まりのちゃん達から王女様へのプレゼントだって」


 来夢が不思議そうに見ていた俺に気づいて教えてくれた。


「DVDのビデオレターと手作りのお菓子だって」


『じゃ向こうで渡しておくにゃ』


 忘れ物がないかを確認してからみんなにお別れの挨拶をした。


『そういえば駄女神がもしかすると持っていくかもしれないから適当に本とかDVDとかを書斎に放り込んでおいて欲しいにゃ』


「わかったわ、新刊は私も楽しみだから毎月いろいろ買ってから読み終わったらちゃんと書斎に置いてるから大丈夫だよ。DVDもまりのちゃんたちが色々見た後に置いているし、お菓子も置いておくといつの間にか無くなってるから持っていってるんでしょうね」


『ありがとにゃ、お菓子は太らないようなものにしてやって欲しいにゃ。だんだん大きくなってきてるにゃ』


「ははは、わかったけどお菓子はだいたい太るからね……」


『じゃ行ってくるにゃ!』


 お別れの言葉を後に転移陣に乗りトリアムへ転移した!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る