プロローグ③ 冒険者ギルド長との打ち合わせ
「それでは冒険者ランクについてだが、アントニオよタイガの希望で冒険者もFランクからで手配してくれ」
「陛下、それは流石にできかねます。タイガ様の実力ではSSSランクでも十分な実力ですので、それをFランクからでは勿体ないですし、何かあったときに指名依頼もできません」
「タイガよ、どうするか?」
陛下が聞いてきたが、こんな子供でSランクとか、厄災が降りかかる未来しか見えない。どうせ無理難題はどのランクにいても王宮からダイレクトに来るだろうから、学園生活で目立たないランクがちょうど良い。
「ではSランクでタイガのカードと別にFランクのトラーオでギルドカードを作れませんか?」
「ギルドカードを2枚ですか? 過去にはありませんが少し考えさせてください」
「タイガの名前も僕は死んだ事になってるし、この体じゃ変でしょうから、タイーガにしようかな? 変幻のマントで顔も別人にして行動すれば同一人物と思われないから駄目かな?」
「うーん、わかりました。タイーガ様の時には必ず変装をお願いします。それで2枚発行しましょう。ギルド長会議でサブギルドマスター以上のみSSSランクのタイーガ様が普段はFランクのトラーオ様で活動する事はお伝えしますが、その素性等は秘匿するようにいたします」
「タイガよ、これで良いか?」
「ええ、わがままを色々聞いていただきありがとうございます。魔王討伐時代と違い、ゆっくりと過ごしたいと思います。もちろん
「ありがとうございます。最近はまた魔物が活性化しており、少し強い魔物も増えてきております。過去の文献では魔王が倒されると魔王が吸収していた膨大な魔素が増えて魔物が増えたり、新しいダンジョンができたりするらしいので、今からは少し冒険者全体で気を引き締めなければならないと思っております」
そうなんだ…… 魔素と魔獣の関係性の研究もおもしろそうだし、魔素や魔石を利用した魔道具の作成も学園で時間があれば研究のテーマとして勉強してもよいな。
「へー、そうなんですね、その魔素を利用できればいろいろ何かできそうですが…… 学園に通うようになったら何か考えてみましょう。魔石を利用した新しい魔道具とかできたら楽しいでしょうし……」
「それではギルドカードのSSSカードは王宮にお届けいたしますが、後日トラーオ様で登録に来た際にSSSカードもギルド長室で登録しますのでお持ちください。さすがに窓口でSSSカードを渡すことはできませんのでよろしくお願いします」
「アントニオ、普通登録したての子供がギルド長室へ行くのはありえないのではないのか?」
「あっ、そうですね…… ではこちらを持って登録へお越しください。ギルド長バッジを紛失したことにしてトラーオ様が拾ってくれたのでお礼を直接言うということにしましょう」
「ふむ、それなら問題なさそうだな、タイガも大丈夫だな?」
「ええ、大丈夫ですが、そんな大切なバッジをお預かりしても大丈夫ですか?」
「あはは! 大丈夫ですよ、良く物を落とすのはギルドでも有名ですから」
この人、大丈夫かよ?
「そういうことならバッジをお預かりしますね」
「アントニオあとは問題ないか?」
「大丈夫です。問題ございません。今度登録へ来られた時に信頼のおける受付を1名紹介致しますのでギルド内ではそのものに何でもお申し付けください」
「アントニオ様、ありがとうございます」
「いえいえ、タイガ様に様を付けられるような身分ではございませんので、どうか呼び捨てで結構です」
「いやいや、Fランクがギルドマスターを呼び捨てしたら、その場で周りから張り倒されますよ! だからギルド内ではトラーオとこちらを呼び捨てでお願いしますね」
「わかりました。仕方ないですね」
ようやく冒険者ギルドとの調整が終わった。
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