制服
保健室を出て、人影のない仄暗い廊下に、部活動をする生徒たちの遠い声と、今しがたまで近くにあった彼の美しい匂いが過る。肌に移ったか、と怯えてすぐに、制服の黒が微かに淡いと気づく。まちがえて彼のものを着てしまっている。華奢な体の彼のものなのに、僕にぴったりとくるのは、入学時に大きめに買ったけれど彼があどけないままだからだろうか。制服のボタンを開けて内側に刺繍されている名前を確かめる。ハタシマという彼の名前が、畑島と書くのだと初めて知る。
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