第18話 綺麗だね。
今日、友人に言われました。響は隙も汚れもないね。綺麗だよ。どうもこんばんは、実際に腹黒く仮面つけて生きてるだけの響くんです。
綺麗っていい言葉なんでしょうか。物が美しかったりしたらそりゃ僕も綺麗だって言いたくなりますよ。だって綺麗ですから。でも、隙も汚れもないって言われてなんだか鳥肌がたちました。
手入れされてる人形みたいで。
僕は小さい頃(年中さんくらいかな?)からかなり厳し目の教育を受けてきました。兄弟のことをあだ名で呼ばず、兄さん姉さんって呼びなさいだとか、目上の方には正しい礼儀をだとか。
そのおかげで今じゃ”綺麗”な
昔から何を考えているのかわからないと言われました。自分ではアバウトな性格だと思ってるけどそんなことないみたいです。つい先日アバウトだなーって話したばかりなのに…笑
まあ、隙がないは褒め言葉として受け取っておきます。でも汚れてないって何?僕結構修羅場通って生きてきてるよ。たくさん血流してきたよ。痣作ってきたよ。言葉も汚いし内面どす黒いし。それでもきれいに見えるのか?
なんてもうここで駄目なんでしょうね。綺麗じゃない。あなたの望んだきれいは私では再現できなかった。あなたにそう見えても全く違うんですよ。
ごめんなさい。本当はきれいじゃなくて。
ごめんなさい。汚れてて。
ごめんなさい。
私もできれば本当の”綺麗”になりたかったです。でも、ちょっと難しいみたい。ここまで汚れたら後戻りできないみたい。
いつも期待裏切って結局みんなから遠巻きに見られて。そんな人生でもいいかなって強気だったのは最初だけで。今では一人が死ぬほど怖いです。
「綾風、学校はどうだ?最近良く来てるじゃないか。」
親に怒られなくても期待を裏切るのが怖いので行きます。見捨てられるのが怖いので。内心そんなこと思ってても笑顔でいないといけない社会って難しいですね。
僕じゃあとても生きられない。
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