第3話 病院の屋上で…

「あっ。痛い」と私は思わず呟いた。


 加速度をつけすぎてしまい、尻餅をついてしまった。


 お尻をさすりながら立ち上がり、快晴の空にはためくたくさんのシーツを眺める。そして、その中から目的にする人物を選ぶ。


 何しろ、人に死んでもらうには、交換条件で願い事を一つ叶えるとかギブアンドテイクが必要で、あんまり面倒くさくない願い事で

いい人間を探すことが必要なのだ。


 さすがに死神のプライドとしてどうかと思うけど、聞きたくないとか人に答えてしまったが故に人を傷つけたことを悩むような自責念慮の強い奴が死にたがっていたら簡単で…。


 そんな都合のよい相手がいたのは運が良かったんだろうか。とりあえず、喪服のような平凡なワンピースに着替えて、鎌も松葉杖の形状にかえてその目的の精神病棟を目指す。


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