その78 草について
通勤の道の傍らで
柔らかにそよぐ
草たち
陽に焼かれ
雨に叩かれ
風に吹かれ
土砂を浴び
時には踏まれ
強靱にも
地上に落ちた
一粒の種子から
くり返し生育してくるものたち
地上での
束の間の
そして過酷な時を
おだやかに揺れているものたち
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