最終話 俺の彼女は残念美少女と言われているけど、最高に可愛い彼女です。
「うわ〜ここ、お昼だとこんなにいっぱい人いるんだ!! 前は夜で人あんまりいなかったのに!!」
「天気も良いし、絶好の外出日和だしねー」
俺たちが付き合い始めて約4ヶ月が経った。
今は高校2年生の春休み中。 後数日もすれば高校3年生になり、受験生になる。
今日は受験で忙しくなる前に、俺たちが恋人になることができたこの地に改めて来ていた。
「今日は時間取ってくれてありがとうねっ!」
「全然良いよ! 俺もまた来たかったし、今日は朝からこの辺を観光しよっか」
「うん!!」
俺の横で手を握ってニコっと笑ってくれる灯。
灯は付き合い始めた頃よりも更に可愛くなり、綺麗になった。
恋をすると女は変わるなんて言葉をどこかで聞いたことがあるような気がするけど、灯を見ると本当にそう思う。
元々自慢の彼女だったが、今は言葉では表せられないぐらい素敵だ。
「あの頃は少し寒かったのに、今は春の暖かい風が気持ち良いねー!」
「ねっ! こんなに気持ち良いと眠くなるよ」
「あはは、確かにそうかも。 ねっねっ! あそこにベンチあるしさ、良かったら休んでかない? 泉の大好きな膝枕、してあげるよ!!」
「ちょっと恥ずかしいからやめてよ〜」
灯がニヤニヤ笑いながら言ってくるので、少し文句を言うがあっという間に灯に引っ張られてベンチへと座らされる。
そして、膝の上に頭を乗せることになった。
おぉ……やっぱり灯の膝枕は気持ちよくて絶景だなぁ。
「ふふっ! 口ではあー言ってたのに、頬がもう緩んでるよ」
「灯の膝枕には勝てないなぁ」
灯は優しく俺の頭を撫でながら明るい声で言う。
最初は恥ずかしくて頭を撫でられるのは抵抗があったけど、今はむしろしてほしいぐらいには癖になっていた。
灯……魔性の女の子だなぁ!!
「私、泉の頭撫でるの好きだよ。触ってて気持ち良いし、泉が気持ちよさそうにしてると嬉しい」
「俺もされるのもう癖になってるよ」
「うふふっ……私、罪な女の子になったかなぁ」
灯が俺の顔を覗き込みながらニヤニヤ悪戯っぽく笑う。
灯の大きな胸が顔の近くにきて、良い匂いがした。
「すっかり悪女になっちゃって……俺は悲しいよ……」
「そんなことを言うのはこの口かーー!!」
「むーー!! 唇を摘まないでよ!!」
「あははっ! 面白い顔ーー!!」
灯はケラケラ楽しそうに笑う。
付き合い始めてから、灯の色々な姿を見ることができた。
これから受験だったり、就職活動とか色々な困難が人生にはあると思う。
でも、そんな時に隣に灯が居てくれたら良いなと強く思った。
「んー?? どうしたの泉? 突然笑っちゃって」
「いやね、これからも灯とずっと一緒に楽しいことも、辛いことも乗り越えていけたら良いなーって思ってさ」
「そんなこと、私だって思ってるよーーだ!!
絶対、泉と居るんだから! 他の男になんていかないよーだ!!!」
「なら俺だって他の女になんていかないし、灯のこと逃がさないからなーー!!」
「泉の愛が重すぎる!!」
「灯が先に言い始めたんだろー!!」
俺たちは可笑しくて笑ってしまう。
あぁ…………俺の彼女は残念美少女と言われているけど、最高に可愛い彼女だ。
俺は幸せもんだ。
そんなことを思いながら、俺は灯との楽しい時間を今も未来も楽しんでいくのだった。
完
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