第12話 赤の花柄ですが脈ありでしょうか?
中間試験が終わり、いろんな意味で濃い勉強を乗り越えた4人は、カラオケに来ていた。
俺達もいろいろあったが、恐らく桔梗と神奈月さんもなんかあったんだろう。
しわっしわっにやつれてる桔梗がその証拠だ。
そんな枯れた桔梗とは真逆で生き生きしてる紫陽花。
にやけ顔が抑え切れていない。
紫陽花「そんなに見つめて、どうしたの?」
蓮華「相変わらず、顔が五月蝿いなと思っただけだよ」
紫陽花「えー酷いよ!そんな事無いよね楓ちゃん?」
楓「歌ったらもっと五月蝿くなるわね」
紫陽花「2人とも酷いよ!いいよもう歌ってストレス発散してやるよ!」
デンモクを激しく突っつく紫陽花。
紫陽花「あ、採点入れる?」
蓮華「おう」
桔梗「次だれ入れるか?」
蓮華「桔梗、入れていいぞ」
楓「歌ぐらい高得点とりなさいよ」
桔梗「仕方ねぇ、俺の持ち曲聞かせてやる!」
楓「ほらあんたが歌う曲入れたわよ」
桔梗「なんで勝手に入れてんだお前!つーか何コレ、こんな曲知らねぇよ!」
楓「毎週日曜日8時半に放送されるアニメの主題歌よ」
桔梗「プ○キュアじゃねぇか!主題歌とか知るか!」
紫陽花「ふふっ、皆私の美声に聞き惚れるがいい!」
3人「キャーステキナウタゴエダナー」
紫陽花「ちょっと皆、適当に返さないでよ!」
俺達は、そんな感じであっという間に4時間程歌った。外に出ると、すっかり夕焼けで橙色に染まっていた。
蓮華「流石に、歌い過ぎたな」
紫陽花「カラオケは、歌い過ぎた位が丁度良いんだよ」
楓「それはあんただけよ、まぁ馬鹿のアホな姿を見られて面白かったわ」
桔梗「そりゃお前が俺に、女子小学生が歌いそうな曲勝手に入れるからだろうが!」
そんな会話を交わしながら帰り道を歩く。
しばらくして俺達は、帰る方向が違うので桔梗達と分かれてた。
紫陽花「そういえばさ」
蓮華「どうした?」
紫陽花「蓮華に言いたい事があるんだけど」
蓮華「おう」
紫陽花「今日、うちに泊まらない?」
蓮華「え?」
驚いて、声が裏返ってしまった。
紫陽花は、目線を下に向けて、俺とは逆の方向を見ていた。
蓮華「それって、つまりいわいるお泊まりというやつですか?」
紫陽花「そうだよ」
蓮華「どうして今日なんだ?」
俺がそう聞くと、紫陽花は顔を赤くして答えた。
紫陽花「今日、親いないんだ」
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