37話 レイドバトルでダークオーガを討伐しました

【ホワイトアリス】がランシード王国で英雄になった事で他の冒険者からも一目置かれるようになった。


 まだCランクなのにな。



 「ねえホワイトリスの人たち、レイドバトルを行わない?」

 「何か協力してほしいのか?」

 「ええ。ダークオーガ討伐なんだけど」

 「エレキレッドのランクは?」

 「Bランクよ。昇格したいの」

 「少し考えさせてくれ」

 「オッケー。答えが決まったら返事して」

 「ああ」



 【エレキレッド】のファイシェルから声が掛かる。


 どうやら協力してダークオーガを討伐するのが目的のようだ。


 ダークオーガはA+ランクのモンスター。


 普通に考えればAランク以上の冒険者が討伐するモンスターだ。


 Bランクで挑もうとするという事は焦っているのか?


 さてどうするか。



 「レイドバトルとは何ですか?」

 「簡単に言えば多人数で協力して強力なモンスターなどと戦う事だよ」

 「今回は私達とエレキレッドで協力してダークオーガを討伐するという事ですか?」

 「そうなるな。どうするダークオーガはA+ランクのモンスターだからかなり強いぞ」

 「今の武器で戦えますか?」

 「皮膚は硬くないから鋼の剣でも十分攻撃は通る。問題は素早い事と一撃が重いこと」

 


 俺の話を聞いて、皆思案してそして答えを出す。



 「私はやってみたい。何事も挑戦あるのみ。ラークがいるから大丈夫だし」

 「妾もやりたいのじゃ。レイドバトルは楽しそうなのじゃ」

 「私もいいよ。今はそこまで眠くないし」

 「私もレイドバトルやりたいです。それにダークオーガを倒せばBランクに昇格できるかもしれませんしね」

 「オッケーだ。じゃあクエスト受注しよう」



 俺は【エレキレッド】のリーダーのファイシェルに声を掛ける。


 【エレキレッド】の他のメンバーと思われる三人もそこにいた。



 「レイドバトル承諾する。ダークオーガ討伐は俺達にも多大なメリットがあるからな」

 「ありがとう。じゃあ先ずは私たちのパーティーメンバーを紹介するね」



 そう言ってファイシェルはメンバーを紹介する。



 アタッカー:ファイシェル、ミシェル


 ヒーラー :エラーナ


 バッファー:リリーナ



 ファイシェルは赤髪のショートカットの活気がいい少女。


 ミシェルは銀髪で人見知りが激しい少女。現にファイシェルの後ろに隠れている。


 エラーナは青髪のロングヘア―の少女。クールな少女だ。


 リリーナはピンク色の髪の好奇心旺盛な少女。冒険者に向いている性格だろう。



 「よ、宜しくお、お願いします」

 「宜しく」

 「よっろしくねー」



 三人が俺達に挨拶をする。


 俺達も自己紹介をして挨拶をした。



 「じゃあクエスト受注しましょう」

 「ああ」



 俺達はダークオーガ討伐を初のレイドバトルで行う事となった。


 一応セーブしておこう。



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 スロット1 ランシード王国冒険者ギルド


 スロット2 ランシード王国冒険者ギルド


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 俺はスロット1に上書きセーブをした。



 「ここから西にある洞窟に向かってください。その洞窟にダークオーガがいるとの情報が入ってきております」

 「了解した」

 「では地図と馬車を用意しましたので西にある洞窟へと向かってください」



 受付嬢から地図を渡される。


 どうやら意外と近くの洞窟だ。


 距離で言えば数キロ程度だ。


 どうやらダークオーガが西の洞窟を住処にしたようだ。


 因みにダークオーガ討伐のクエスト詳細はこうだ。



 ==========================


 ダークオーガ討伐 金貨10枚



 危険度★★★★★★★★



 待遇 地図、馬車あり



 依頼主 調査員


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 「これをクリアすれば前のクエストと合わせて金貨三十枚じゃ。好きな物を食べまくるのじゃー」

 「そうだな。これクリアしたら豪華な食事でもするか」

 「やったのじゃあ」

 「じゃあ全力で挑むぞ」

 「うむ、任せるのじゃ」



 こうして俺達はダークオーガ討伐へ向けて馬車で揺られて西の洞窟へと向かった。



 「ホワイトアリスの目的はやっぱりSランクに昇格して貴族の地位を手に入れる事?」

 「いや貴族の地位は誰も興味が無いんだ。珍しいだろ」

 「そうなんだ。珍しいわね。大抵は貴族の地位欲しさに一般人が冒険者になって目指すものだけど」

 「まあな。そっちは?」

 「目的なしかな。そりゃいい生活は送りたいけどね。結構冒険者の生活も気に入ってるんだ」

 「そうか。お互い頑張ろうな」

 「ええ今日は宜しくね」



 他のメンバーも打ち解けたのか仲良さそうに話している。


 若干一名人見知りなのかモジモジしているが。



 「ご到着致しました。魔笛を渡しておきます」

 「ああ御苦労だった」

 


 俺は魔笛を受け取り腰のポーチへ仕舞う。


 そして馬車から降りて西の洞窟の前に立つ。



 「セーブ」

 「何それ?」

 「俺の能力だよ」

 「初めて聞いた詠唱」

 「まあ唯一無二らしいからな」



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 スロット1 西の洞窟前


 スロット2 ランシード王国冒険者ギルド


 =========================



 俺はスロット1に上書きセーブをした。


 さあ行こう。



 西の洞窟の中を歩いているがモンスターの類は一切いない。


 てっきりダークオーガがいるならオーガもいるかと思ったんだがな。



 「オーガいないわね」

 「ああ。てっきりいると思ったんだけどな」



 ファイシェルと俺が会話をしながら先頭を歩く。


 そして洞窟の最奥地へと辿り着いた。



 「食っている!?」

 「共食いね」



 最奥地に行くとダークオーガがオーガを共食いしている姿が見られた。


 どうやらこのダークオーガは凶暴で野蛮な性格をしているらしい。



 「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

 


 ダークオーガがこちらに気づき戦闘態勢に入る。


 俺達も戦闘態勢に入る。



 「リアとヴィクトリカは攻撃を。ラフレアはスピードアップのバフを撒いてくれ」

 「オッケー」

 「うむ」

 「分かったわ」



 ラフレアがバフを撒く。



 「超スピードアップ」



 ラフレアのバフの恩恵を受けたリアとヴィクトリカがダークオーガ相手に攻撃を仕掛ける。


 一方エレキレッドのメンバーも攻撃に参加する。



 「リリーナバフをお願い」

 「はいはーい」



 リリーナはバフを撒く。



 「超攻撃力アップ」

 


 【エレキレッド】のアタッカーのファイシェルとミシェルがバフの恩恵を受ける。


 そしてダークオーガの視線誘導役を買って出る。



 「こっちよダークオーガ」

 「こっちこっち」



 二人がダークオーガを翻弄する。  


 ダークオーガはぐるぐると視線を動かしふらつき始める。


 その隙にリアとヴィクトリカがダークオーガに攻撃を仕掛ける。


 その攻撃が見事命中してヒットする。



 「後もう少しだ」



 俺は持っていた短剣を負傷しているダークオーガの目に目掛けて投げた。


 投げた短剣が見事命中する。


 片目が潰れて視界が悪くなったダークオーガは暴れだす。



 「アリス仕上げだ頼む」

 「任せてください」



 正直レイドバトルと言えどA+ランクモンスターに勝つのは通常なら難しい。


 だが俺達【ホワイトアリス】のメンバーの絆は深く連携もとれている。


 【エレキレッド】もかなりの絆と連携だ。



 「呪術カースアビス」



 アリスが詠唱する。


 すると三十秒間呼吸が出来ずもがき苦しむダークオーガ。


 その隙にアタッカーの四人が一斉に連続攻撃をする。



 「はあああっ!!」

 「とりゃあっ!!」

 「うらああっ!!」

 「いやああっ!!」



 四人の連続攻撃でダークオーガは絶命した。



 「討伐成功だな。やったな」

 「凄い能力の集まりねホワイトアリスは」

 「そっちも凄かった」

 「意外と簡単にクリアできて良かったわ」

 「祝勝会でもあげるか」

 「ええそうね」



 俺はアリスの頭をポンと撫でた。


 他のホワイトアリスのメンバーにも同じことをした。


 どうやら俺達はかなり強くなっているようだ。


 俺達はダークオーガを見事討伐した。



 「セーブ」



 =========================


 スロット1 西の洞窟


 スロット2 ランシード王国冒険者ギルド


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 俺はスロット1に上書きセーブをした。


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