12話 鬼ゴブリンを討伐しました
洞窟前まで来た俺達はふぅーと皆深呼吸をした。
「セーブするか?」
「した方がいいと思うけど」
「妾も賛成じゃ」
「私もいいわよ」
「ラークお願いします」
「了解。セーブ」
俺は洞窟前でセーブした。
これでいつでもここからやり直しができる。
「ここからは危険だから常に警戒態勢で」
「分かった」
俺達は薄暗い洞窟へとランプを持って入っていく。
ごつごつした石の壁が気持ち悪さを滲みだしている。
少し進むとゴブリンがいた。
「ゴブリンだ。リアとヴィクトリカ頼む」
「ええ」
「うむ」
リアとヴィクトリカが銅の剣で戦う。
「はあああっ」
「とりゃあっ」
二人はゴブリンを上手く連携で倒した。
だいぶ緊張が解けてきた気がするな。
「ナイスだ」
「これくらいなら出来る」
「妾もじゃ」
「オッケー」
俺達は洞窟の奥に進んでいく。
意外と狭く奥行きが無い。
歩いて十分程度で再奥地へと到着した。
そして洞窟の再奥地に木の棒を持った鬼ゴブリンが食事をしていた。
「あれが鬼ゴブリンだ。ゴブリンの十体程の強さを持つから注意しろ」
「ええ。ラフレアバッファー頼むわよ」
「はーい」
ラフレアが欠伸をしながら眠そうに答えて魔法を使用する。
「攻撃力アップ」
「防御力アップ」
「スピードアップ」
バフがアタッカーの二人に掛かる。
二人は強化されて強くなる。
「セーブはした方がいいですかね?」
「この洞窟宝もないし一本道で浅いからここでセーブするか。セーブ」
俺は鬼ゴブリンのいる再奥地でセーブした。
そしてアタッカーの二人が鬼ゴブリンへと剣を向ける。
剣を構えて地面を蹴って鬼ゴブリンと戦う。
「きゃあっ」
「うぉっ!?」
鬼ゴブリンの攻撃を回避できず攻撃を食らうリア。
何とか回避したヴィクトリカ。
「ロード」
俺はやり直した。
「次は違う方法で戦ってみてくれ」
「分かったわ」
リアとヴィクトリカが再び剣を振るう。
鬼ゴブリンの木の棒の攻撃を少し食らったが二人の攻撃が見事にヒットする。
鬼ゴブリンの左腕が切断され、生えていた角が一本折れる。
「そのまま一気に心臓部分や首を狙うんだ」
「うむ」
ヴィクトリカが上手く態勢を立て直して鬼ゴブリンの心臓部分を剣で狙う。
鬼ゴブリンは怒りの余りと痛みの余りに「ぐおおおおおおお」と叫び声をあげて悶えている。
ぐさっと心臓部分にヴィクトリカの銅の剣が命中した。
「やったぞ。妾の手柄じゃ」
「ちょっと私の見せ場が」
「残念じゃったのう」
「悔しい」
ははっ。上手く連携が取れたいいパーティーだ。
俺はよくやったとリアとヴィクトリカの頭をポンと撫でた。
「私も成長したんじゃない」
「妾もじゃ」
「ああ。だけどまだまだだ。これからどんどん成長していくぞ」
「ええ」
「うむ」
俺はラフレアにも頭をポンとした。
ラフレアが眠そうな顔で「ありがとう」と言った。
相変わらず美人だな。
「私が傷を治します」
「頼むわ」
「宜しくじゃ」
「ヒール」
アリスが二人の傷を治す。
みるみるうちに傷が治っていく。
ヒーラーは重要な存在だ。
パーティーにヒーラーがいないのといるのとでは全然違う。
「な、アリス言っただろ。お前が必要なんだって」
「はい。こういう事だったんですね」
「ああ。こういうロードしない方がいい時にヒーラーは絶大な力を発揮する」
「嬉しいです」
アリスが頭を差し出した。
どうやらポンとしてほしいようだ。
俺はアリスの頭を撫でた。
アリスは満足そうな表情で笑っていた。
「鬼ゴブリンの角と一部を持ち帰ろう。売れば高値で売れる」
「後で調査団が確認に来ますよね?」
「そうだなクエスト達成の確認に来るだろうな」
俺達は洞窟を後にする。
そして俺は「セーブ」と言ってセーブした。
無事に鬼ゴブリンを討伐した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます