6話 煽られましたが気にしない
村長からクエスト達成証明書を頂き俺達は帰還して銀貨三枚を頂いた。
銀貨三枚と言えども貴重な資金なのだ。
慎重に話し合って使い道を決めよう。
「これからどうするんじゃ」
「疲れただろうから宿で少し休もうか。眠そうな方も若干一名いるんで」
「ふむそうじゃな」
俺以外は宿屋に直行する。
特にラフレアは本当に眠そうでふらついていた。
あれは大丈夫なのだろうか?
「少しだけクエストボードでも見るか」
俺は他に良さそうなのがないかチェックする為冒険者ギルドを訪れた。
俺がクエストボードを見ていると背後から誰かに声を掛けられた。
誰だ?
「ようラーク。久しぶりだな」
「何の用だ?」
俺に声を掛けてきたのは追放処分を下した当の本人【デビルメイデン】のリーダーバレッドだった。
かなり上機嫌な様子で、嫌味たらしい顔で俺に話しかける。
「お前を追放してよかったよラーク。貴族から直々の依頼が舞い込んできやがったんだぜ」
「そうかよかったな。じゃあさよなら」
「おい、話は最後まで聞けよ。お前の代わりにな優秀な冒険者が加入したんだ。無能なお前とは違ってな最高なんだぜ」
「良かったな。じゃあ頑張ってくれ」
「お前ソロ冒険者として惨めなんだろ。可哀そうになあ」
「いやソロじゃないけど」
「はっ、どこかに加入したのか。可哀そうだなそのパーティー」
相変わらず傲慢で仕切りたいタイプで自慢話が長い糞野郎だ。
だがもう俺にはどうでもいい。
俺には【ホワイトアリス】がある。
大切な仲間が出来た。
充実している。
【デビルメイデン】みたいな糞なパーティーから離脱出来て本当に良かったと俺は思っている。
「精々失敗しないように頑張ってくれバレッド」
「はははっ。誰に言ってやがる。お前がいなくなったお陰で最高の完全無欠のパーティーになったんだ。失敗なんかする筈ないだろうが」
「じゃあ失敗してもどうなっても俺に泣きつくなよ」
「相変わらず無能な癖してうぜえなお前」
俺の背中を思いっきり蹴る。
俺は痛みに我慢してスルーした。
煽られても気にしない。
もう俺は充実しているから。
追放した糞パーティーに興味なんか微塵もないから。
俺はこの日バレッドに煽られた。
その後クエストボードで品物運びの報酬が銀貨2枚だったので仲間たちに知らせた。
♦
「どこ行ってたのよ?」
「冒険者ギルドに居たらラークが居たぜ」
「へえーソロ冒険者として無能ながら醜く生きているのね」
「いやそれがどうやらあいつどこかのパーティーに加入したらしいぜ」
「ぷっ、笑える。疫病神過ぎてそのパーティーに同情するわ」
「だから煽ってやった。まああんな無能どうでもいいがな」
「そうね私たちはこれから世界の英雄となるのだから」
バレッドとエレノアは二人ラークを飯の種として侮辱していた。
まさか侮辱していた奴に後に泣きつき土下座することになろうとはまだバレッド達は知らなかった。
だからバレッド達は現在調子に乗っている。
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