20階層への扉
ベルリアが復活してくれたおかげでペースを取り戻す事ができ、順調にモンスターを倒しながら進む事ができている。
しかも今までのように単独で突っ込んでいくことも減りパーティの安定感が明らかに上がった。
ベルリアが単独先行さえしなければ、そもそも士爵級悪魔であるベルリアがメタルモンスターにそうそう遅れをとるはずもなかった。
ルシェの手を煩わせる事なくダンジョンを進んでいく。
おかげで魔核も節約できてるし、この調子ならこのまま十九階層の最奥に到達できたとしてもおかしくはない。
「おい、今日は出番がないぞ! どういうつもりだ。まさかまたいじめか。そうなのか?」
「ルシェ、そんなはずないだろ。今日はベルリアの調子もいいからルシェはいざという時の秘密兵器だ」
「ふふん、それならいいけど秘密で終わる事がないようにしろよ」
「わかってるって」
「ご主人様、私もでしょうか?」
「シルはモンスターを知らせてくれてるし、ずっと活躍してくれてる。助かってるよ」
「ありがとうございます。そんなふうに言っていただけると嬉しいです。がんばりますね」
「私は役に立てていないです。このフロアでは影が薄くていてもいなくても……」
「ティターニア、そんな事ないって。相性ってあるから気にするな」
「はい」
ベルリアが活躍している反面残りの三人が活躍する機会はほとんどなく、拗ね気味だ。
特にティターニアは、この階層に来てから攻撃面での貢献度は低いのでずっとテンションが低い気がする。
ティターニアに攻撃系スキルがないのと持たせている『ドラグナー』とメタルモンスターとの相性が厳しい。
サーバントの場合BPだけで強さを測ることはできないけど、ティターニアに近接武器を持たせて戦ってもらうイメージも湧かない。
とにかく早く次の階層に行くのが1番の解決策のように思えるし、今は先を急ぐ。
紫色のメタルモンスターを退け更に奥へと進んで行くと、そこにはボス部屋と思しき扉があった。
銀色のおそらくは金属製の大きな扉。
「ようやくか」
「隠し扉とかってオチは無いわよね」
「いや、この位置だし普通に階層主への扉でしょ」
「今までの扉より立派な気がするのです」
金属製というのもあるけどここは20階層を隔てる扉ともいえるので、それもあるのかもしれない。
ヒカリンが言うように、今までのボス部屋への扉より重厚な気がする。
「どうする?」
「海斗、消耗も抑えてここまで来れたんだ。このまま行くべきだろう」
「そうね。私もそう思う」
「ベルリくんも元気だしいけると思うのです」
「そうですね」
19階層は思いのほか苦戦したけど、十分に戦闘もこなしてきたしみんなの言う通りだ。
意思を統一して今からボス戦へと挑む事にする。
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