第399話 あとの祭り

「それじゃあ、他のメンバーの二つ名を教えてもらっていいか」

「ああ、もちろんいいぞ。まずはルシェ様だけどな漆黒の炎姫だ」


漆黒の炎姫か物凄い二つ名だな。確かに黒い服装に黒髪そして獄炎で炎姫。確かに間違ってはいないが漆黒の炎姫とは考えた人も凄いな。


「ルシェ様ぴったりだよな。いくつか候補が出てたけどこれですぐ決まったみたいだぞ。あの圧倒的な火力と風貌でシル様に負けずファン急増中だ」

「ああ、そうなんだ。ファンね〜。ルシェのね〜。まあ良いんじゃ無いか。絶対にMだな。ベルリアにも何かついてるのか?」

「ああ師匠は黒の二刀聖だ!」

「黒の二刀聖か。何か黒比率が高く無いか?」

「そりゃあ黒い彗星のパーティだからイメージカラーが黒なんだろ」

「イメージカラーって………」

「師匠も剣さばきが人間業じゃないって評判だ。さすがは師匠」

「だって人間じゃ無くて悪魔だからな」


これで俺のサーバントも全員二つ名持ちになってしまった様だ。しかもファンか……。面倒な感じしかしないな。


「あとは………」

「ちょっと待て。あとはってまだあるのか?」

「だって全員って言っただろ。海斗のパーティは他にも女の子3人と小動物がいるだろ」

「本当に全員なのか」

「まず小動物はモフモフ爆弾だ」

「モフモフ爆弾?それって二つ名なのか?」


あれか。恐らく最後に使用したフラッシュボムを見て思いついたのか?ただ今までと名前の方向性が全く違うので違う人が名付けたに違いない。


「それとそのマスターの女の子が轟の炎術使い」

「轟の炎術使いか。多分スピットファイアで撃ちまくってたからだな。それにしてもあの戦闘中に他のパーティの後衛までよく見てるな」

「それだけ海斗パーティが目立ってたって事だろ。女の子達は、最初おまけなのかと思われてたみたいだけど実際に見たらそれぞれが凄かったって」

「それは、普通に考えて彼女達がおまけって事は無いだろ」

「若いし可愛いし、戦闘力が高い様には見えてなかったみたいだ」

「まあそれはあるかもな」

「それと背の高い薙刀の子が令和御前だ」

「令和御前?何か変な呼び名だな」

「由来は現代の巴御前らしい」

「まあ、現代の巴御前っていうのは納得だけど令和御前か。それってセンスある感じなのか?」

「う〜ん。俺もこれはもうちょっといいのがあったと思うけど」

「探索者も男が多いからな。そう言うセンスを求めるのは難しいんじゃ無いか」

「そうかもな〜」


あいりさんが知ったらどう思うかな。きっと嫌がるだろうな〜。でも武術やってるから御前って呼ばれると嬉しいんだろうか。


「それで最後は魔法を使う小さい女の子だけど大魔導少女だ」

「大魔導少女。多分融合魔法を連発したからだな」

「この子はシル様達に次いで探索者の中で人気みたいだぞ。小さいアイドルみたいな風貌から訳の分からない爆発魔法を連発してミノタウロスを混乱の渦に陥れたって。あんな爆発魔法今まで見た事ないって噂になってるぞ」


見た事無いって当たり前だよな。あれはオリジナルの融合魔法だもんな。


「まあカオリンは確かにアイドルっぽい風貌ではあるから、あれだけバンバン魔法を連発したら目立つよな。

結構ミノタウロスの集団に押されてたから俺達も余裕がなくて、ガンガン行ったからな〜。でも本当によく見てるな。俺なんか自分の相手に必死でほとんど他のパーティなんか見てる暇無かったけどな。俺もまだまだって事だよ。もっと頑張らないと」

「いや、それだけ目立ってたら十分だろ」

「そうだぞ。パーティ全員二つ名持ちって凄い事だぞ」


2人共本当にそう思ってるのが?リアルの世界で二つ名は死ぬほど恥ずかしい。

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