第397話 前夜祭

エリアボスを無事に倒したので全員で地上まで帰ってから、ギルドへと向かった。

ギルドで今日の報告を終え、魔核とドロップアイテムの精算をしてもらった。


「皆様本当にお疲れ様でした。大きな被害も無く無事に攻略出来たようで何よりでした。報告によりますと、想定していた数よりも敵が多かったり、モンスターがイレギュラーに進化したり色々あったようですが、皆様のお陰で攻略することが出来ました。ありがとうございます」


ギルド職員からお礼の挨拶を受けてから報酬の分配となったが、魔核とドロップアイテムの精算額は、1820万円余りとなった。

流石に魔核の数が多いのとドロップアイテムの2つと赤い魔核が高額で売れたのでかなりの高額となった。

売却額を均等割で支給されたのとは別に今回の報酬である100万円が支給されたので、この2日間の俺の手取りは75万円を超えている。

初のレイドイベントを経験出来て更にダンジョンの1/3をオートマッピング。そして思った以上の身入りがあったので今回は言う事なしだ。

ギルドも今回の買取品の売却益で依頼料の600万円ぐらいは賄えている気がするので正にWin Winとはこの事だろう。

解散する時になって


「黒い彗星さん、よかったら連絡先交換しませんか?」

「え!?連絡先?」


例のパーティリーダーが、不意打ち気味に突然の申し出をしてきたので慌ててしまったせいか


「はい。電話番号でもメールでもなんでもいいですけど」

「あ〜すいません。教えたいのは山々なんですけどプライベートはシークレットで通してるんで」

「そうなんですか?」

「そうなんです。ちょっと事務所に止められてて」

「そうですか。残念です………」

「ごめんなさい。また機会があったらよろしくお願いします」


と言う訳の分からない返しをしてしまったが、何故か上手く誤魔化せてしまった。

その場を切り抜けて外に出ると


「さっきの事務所ってなに?」

「いや〜。咄嗟に口から出ちゃったんだ」

「プライベートはシークレットって黒い彗星さんってアイドルか何かだっけ」

「自分でも何であんな事言ったのか分からないけど、つい……」

「ついって……それにしてもよくあれで納得したわね」

「まあでも無事終わってよかったよ。今度は15階層攻略するように頑張ろうか。来週から春休みになるし」

「そうね。みんな来週の木曜日から春休みでしょ。週5ぐらいいける?」

「はい大丈夫なのです」

「私はもう春休みに入っているから大丈夫だ」

「あ〜大学生って休みが多いんでしたね」


あいりさんは大分前から春休みに入っているそうで、大学生は羨ましい限りだ。

その日は、そこで解散して家まで帰ったが思ったよりも早く着いたものの結構疲れていたようで、母親に晩ご飯に呼ばれるまでベッドで眠ってしまった。


翌日、いつも通り学校に向かったが今日から学年末テストの結果が帰って来る。

今までよりも良い自信はあるが帰ってきてみないと点数は分からないので返って来るのを待つしか無いが今日だけで4教科ぐらいは返って来るだろう。


「おう!」

「おう」

「おう」


いつものように教室に着いて真司と隼人に挨拶を済ませてから自分の席につくと、すぐに真司と隼人が寄って来た。


「海斗、昨日レイドイベント行ったんだな」

「ああ、思ったよりもいろいろ勉強になったし良かったよ」

「それはそうと海斗、お前いつの間にサーバントが増えたんだよ」

「そうだぞ!俺らにも紹介しろよ」

「え〜と、何の話?」

「ホーリーティンカーベルだよ」

「はい?」


あとがき

コミック版 モブから1の発売まで1ヶ月をきっています。作画のてりてりお先生の作画も大好評です。書き下ろしSSもありなので是非予約してみてください!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る