第344話 ドロップアイテム
レベルアップを果たした後に悪魔達が消え去った跡を確認すると魔核では無く3つのドロップアイテムが残されていた。
流石は悪魔だ。
まず一つ目はフロストデーモンの所に目をやるとマジックオーブが落ちている。
色も青っぽいのでまず間違いなく氷に関する魔法だろう。
他のメンバーの了承も必要だが、前回何のマジックアイテムも渡す事の出来なかった魔法少女カオリンに渡すべきアイテムだろう。
そしてドリームイーターのいた所には見慣れない黒い小さな四角の石のようなものが落ちている。
あれはまさかスキルブロックでは無いだろうか?
今まで一度もドロップした事がない、レアアイテム。
マジックオーブと同じで手にとって壊すとスキルを習得できると言うマジックアイテムだ。
ダンジョンマーケットのVIPルーム以外では、余り見かけるものではないのでもちろん実物を見るのは初めてだ。
これは俺も使用してみたいが、順番から言ってあいりさんに使ってもらいたいと思う。
そして最後に俺が倒したインプのいた所には指輪が残されていた。
当然ドロップアイテムなので普通の指輪ではあり得ないので、俺のリングのように何かに耐性があるのかもしれない。
体力も回復して落ち着いたので俺がマジックアイテムを回収して回る。
まずはマジックオーブを手にとってみるが、俺の時と同じような色なので『ウォーター』系でないことを祈ろう。
次にスキルブロックを拾って手に持った瞬間ブロックが消えて無くなってしまった。
「えっ!?」
どう言う事だ?ブロックはどこへ行ったんだ?素手で触ったのが不味かったのか?
「あの……みんな。マジックアイテムが消えちゃったんだけど」
「見てたわよ」
「じゃあどこに行ったのか見えた?」
「一瞬で無くなったわね」
「海斗さんに吸収されたんじゃないでしょうか?」
「いやだって俺、何もしてないけど」
「もしかしたら、最初から破損していたのかもしれないな。それで手に取った事で使用条件を満たしたんじゃないか?」
「そんな事あります?」
「ステータスを確認してみれば分かるんじゃない?」
確かにステータスを見れば俺が使用したのかすぐに分かる。
高木 海斗
ジョブ アサシン
LV21
HP 79
MP 50
BP 80
スキル
スライムスレイヤー
ゴブリンスレイヤー(微)
神の祝福
ウォーターボール
苦痛耐性(微)
愚者の一撃
ゲートキーパー NEW
ああ………1番下に新しいスキルが発現している。やっぱり俺が使ってしまったらしい。
「すいません。俺が使っちゃったみたいです。あいりさんに使ってもらいたかったんですけど」
「それは、別に構わないがどんなスキルなんだ?」
「え〜っとですね」
ゲートキーパー………ダンジョンで行った事のある階層の入り口まで出現させたゲートにより自由に移動する事が出来る。
これって………やばいスキルじゃ無いのか?
つまりダンジョンに常設の5階層毎のゲートとは別に自由に瞬間移動出来るって事じゃ無いのか?
こんなスキル聞いた事が無いし、これって人に知られて大丈夫なのか?
「みんな……ちょっとまずいかも」
「どうかしたのか?」
「はい。俺の手に入れたスキル名は『ゲートキーパー』です。どうもゲートの力で行った事のある好きな階層の入り口に移動出来るスキルみたいです」
「……………--」
「それって凄く無い?」
「ああ、使ってみないと分からないけど、多分凄いよね」
「海斗さん、お気をつけて」
カオリン何を不吉な事を言ってるんだ。
ただこのスキルが公になるとまともな活動がし辛くなりそうだ。
まあこのスキルだけでも食べて行けそうな気がする。
最悪運搬屋的な仕事で需要がある気もするので、新しいスキルを前向きに捉えておこうと思う。
あとがき
12/1HJ文庫モブから始まる探索英雄譚をよろしくお願いします。
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