第283話 久しぶりのホームダンジョン

今俺はカフェを後にして歩いている。

真司の告白を見て、なんとも言えない変な感じがする。

ほとんど会話のない状態から急にスイッチが入って告白まで持っていった真司は素直にすごいと思う。

ただ返事は考えさせて欲しい……微妙だ。その場で断られなかっただけ可能性を残しているとも言えるが、明日から真司にどう接したものか。


「春香、さっきのってどうなんだろう」


「う〜ん。悠美も満更でもなさそうだったけど、どうかな〜」


「俺は結構お似合いだと思うんだけな」


「そうだね、うまくいくといいね」


「でも、俺も緊張しちゃったよ」


「海斗も結構頑張ってたよね。でも大山くんも最後は男らしく告白したから女の子はやっぱり男の子から告白して欲しいものなんだよね」


「そうなんだ」


「うん。ちょっと悠美が羨ましかったな」


「そう……」


俺もいつかまた春香に告白したいが、真司の結果を見るとどうしても二の足を踏んでしまう。正直余計告白し辛くなってしまった。

とにかく今の俺には真司の幸運を祈るしか出来ない。


「それじゃあ、また明日。それと今度は写真を撮りに誘ってもいいかな」


「うん、いつでもいいよ」


「でも俺デジカメ持って無いんだけど」


「大丈夫、私ので一緒に撮ればいいから」


「じゃあ、それでお願いします」


次の約束も取り付けたし俺は着実にステップアップを目指すだけだ。

その場で春香と別れて家に帰ったが、明日は久々にホームダンジョンに向かえるので楽しみだ。


次の日の朝になり、学校へ登校してからすぐに教室へ向かった。


「おう」


「ああ、おはよう」


「真司、なんか顔色悪く無いか?目の下のくまが酷いぞ」


「それが、昨日の事が気になって仕方がなくて全然寝れなかった。むしろダンジョンの方が熟睡出来た……」


「そうか、気持ちはわかるけどな」


「海斗、真司のやつ朝からずっとこの調子なんだよ。話は聞いたんだけど実際どうだったんだよ」


「どうって、真司は男らしく告白したし、まあ悪くはなかったんじゃ無いかな」


「いやそうじゃなくて、前澤さんはどうだったんだよ」


「う〜ん。いけるようないけないような」


「いったいどっちだよ」


「う〜ん、嫌ではなさそうだったんだよな。ただ前澤さんのタイプが男らしい人なんだよ。今の真司を見てるとなあ」


「まあ、すぐに結果は出るんだろうからとにかく待つしか無いな。真司、とにかくやったな」


「あ、ああ。そうだな………」


真司は心ここにあらずと言った感じだが、それも仕方ない事だと思う。とにかく俺達3人は待つことしか出来ない。

放課後になり俺はいつものダンジョンに向かった。先日購入した装備をレンタルボックスから取り出してダンジョンに潜る。


「シルフィー召喚。ルシェリア召喚。ベルリア召喚」


俺は1階層の端でサーバントの3人を喚び出した。


「今日からまたいつものダンジョンだから頑張ろうな。それとベルリアこれがお前の新しい剣だよ」


「おおっ。マイロード有難き幸せ。ところで剣が2本あるのですが?」


「ああ、それだけどベルリアこの前真司の双剣を使いこなしてたから2刀流でどうだろうと思ってな。この前1本折れて困ったから2本あれば最悪1本折れてもなんとかなるだろ」


「ああっ!なんとお優しい。しかも騎士の命とも言うべき剣を2本も。これで私の命が2つになったようなものです。2度と折るような事がない様に誠心誠意頑張らせていただきます。本当に素晴らしいっ!おおおおっ〜」


ベルリアが2刀を振りながらかなり喜んでくれている。

やはり質も大事ではあるが量も大事だと言うことかもしれない。ベルリアの喜びも本数に比例して倍になった気がするのでこれで良かったのだろう。

ただバスタードソードの方はB品なので丁寧に扱った方がいいかもしれない。


あとがき

HJ文庫モブから始まる探索英雄2をよろしくお願いします。

今週末のお供に買ってください。

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