第203話 新しいスキル

俺は今隠しダンジョンのドロップアイテムを物色している。

残りの1つは不思議な弾倉のない銃だが、まず間違いなくマジックアイテムだろう。

もし誰でも使えるようなら、ミクに使ってもらうのがいいと思う。

ドロップアイテムに気を取られていたがレベルアップしているかもしれないと思いステータスを確認した。


LV 18→19

HP 65→70

MP 40→42

BP 66→71

スキル

スライムスレイヤー

ゴブリンスレイヤー(仮)

神の祝福

ウォーターボール

苦痛耐性(微)

愚者の一撃NEW


「おおっ。スキルが発現してる。」


ええ・・・


『愚者の一撃』?


なんか微妙な名前のスキルだ。


愚者の一撃・・・自分のHPと引き換えに強力な一撃を放つ事ができる。スキル発動後の残HPはランダムで1から9となる。


これって・・・

また俺の生命を犠牲にするスキルじゃないか。しかもスキル発動後に残るHPが1〜9。1って転んだら死ぬんじゃないか。

『暴食の美姫』といい俺の生命がそんなに欲しいのか?

そもそも愚者ってダメな意味で使われる言葉だし、これはまた死蔵させるしかないか?

俺の生命を削ってどのぐらいの威力が出せるのかはわからないが、『暴食の美姫』との使い分けは、敵の数次第だろう。

『暴食の美姫』を使用すると、俺は完全に戦闘不能になるので、複数を相手にする場合は、俺単独で発動できるこのスキルの方が優先される気がする。

せっかく発現したスキルだが、使う事があるのか不明だな。

そういえば他のみんなはどうだったんだろうか?


「みんな、俺レベルアップしてたんだけど、みんなはどうかな。」


それぞれにステータスを確認してもらったが、3人ともがレベルアップしていたものの残念ながら、スキルを発現したのは俺だけだったようだ。

それにしても、この隠しダンジョン、広さはあまり広くなかったが、敵の質はやたらと高かった。偽ラーに至っては、偽神とはいえ、士爵級悪魔と遜色無い強さだった。

お陰で達成感も半端じゃなくあるのだが、HPが全快しているものの『暴食の美姫』を使用したせいで、身体の芯に残る何とも言えない疲労感が激しい。

とにかく早く帰ってベッドで眠りたい。


「よし、敵も倒したしみんな帰ろうか。」


「海斗さん・・・。どうやって帰るのですか?」


「あっ!」


戦いが終わったので全部終わった様な錯覚を起こしていた。

疲労感で頭が回っていないのか、よく考えると帰る方法がないんだった。


「みんな、その辺りにゲートか階段が無いか探してみよう。シルもおかしい所が無いか確認してくれ。」


それから俺達は全員で周囲の壁や地面をくまなく探してみたが、何も無い。

30分程探してみたがやっぱり何も無い。

どうすればいいんだ。この隠しダンジョンは一方通行なのか?

エリアボスを倒しても帰り道が無いとは何て趣味の悪いダンジョンなんだ。

困った。


「う〜ん。やばいな。みんなどうしよう。」


「海斗・・・もしかして私達ミイラとりがミイラになっちゃった?」


「まあ、このままだとそうなるかも。」


「ご主人様。帰り道などなくても問題ありません。」


「いや、問題あるだろ。どうするんだよ。」


「皆様で元の位置まで戻りましょう。」


他に方法も無いのでシルの言われたままにみんなでついて行くことにした。


「シルどうするんだ?」


元の位置まで戻って来たのでシルに尋ねると


「皆様ロープか何かお持ちでしょうか?」


「いや、そんなの俺は持ってないけど。」


他の3人も持っていない様だ。


「それでは申し訳ありませんが、皆様の衣服等で紐を作って頂いてよろしいでしょうか?」


シル・・・

衣服って言われても女性陣の服を脱がせて切るわけにいかないだろう。

俺しかいないじゃ無いか。

しかも俺の服だけじゃ足りない。

マントしかない。

短い付き合いだったがシルのことを信じて俺はマントを切り刻んで紐を作る事にした。


あとがき

7/1発売モブから始まる探索英雄1を アマゾン等の主要ショッピングサイトでご予約購入お願いします!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る