第170話 噂
俺は今学校に来ている。
ベルリアとの鍛錬を日々重ねているが、いまだに一撃も入れられないまま、金曜日を迎えた。
真司と隼人に進捗状況を聞いてみる。
「どうだ?あの後ダンジョンの攻略は進んでるのか?うまくいってるか?」
「ああ、アドバイスもらってから自分たちでも試行錯誤して、結構順調にいってるよ。」
「それは良かった。俺もようやく10階層まで行ったんだ。」
「おおっ。やっぱりすごいな。そういえば10階層といえば噂聞いてるか?」
「いや、知らないけど何の話だ?」
「それが最近凄い奴が10階層に現れたってギルドとか周りの探索者が噂してたんだよ。」
「へ〜っ。どんな奴なんだ?」
「何か最近になって彗星のように現れた超絶リア充野郎らしいんだ。」
「超絶リア充?俺には全く無縁の話だな。」
「それが噂によると、かぶれたマントと変なヘルメットかぶってるらしいんだ。」
「なんだそれ。そんなので超絶リア充なのか?」
「なんか噂によると顔は至って普通らしいんだけどそのパーティ構成がすごいらしい。」
「凄いってどう凄いんだよ。」
「まず、アイドル顔負けの美少女が3人いるらしい。それと15歳未満は入れないはずだから多分サーバントじゃ無いかって言っていたけど、超美幼女が2名、それとなぜか小さい男の子までいたらしい。ちょっとぶっ飛びすぎてるから、半分以上は噂が噂をよんで誇張されてるのかとは思うけどな。」
「・・・・・・・」
「どうした海斗、お前見たことないか?」
「・・・・・・・・・」
「本当にどうしたんだよ。急に黙り込んで。」
俺か?その超絶リア充って俺の事か?最近現れた、マントと変なヘルメット。顔は普通。美少女3人に超美幼女が2名、小さな男の子・・・・・
俺のパーティの構成にそっくり。いやそのまんまじゃないか。
そういえば10階層に上がってから視線は感じていた。感じていたが、ミク達でも見ているんだと思っていたが、まさかの俺だったのか?
しかし超絶リア充ってなんだ?全く事実無根だぞ?俺は一切モテていないぞ!
もしかして知らない人が見たら俺のパーティは超絶リア充パーティに見えるのか?正直考えたこともなかった。シル達を見られるのが嫌で今まで人目を避けている節はあったがギルドに報告したからもういいかと思って気が緩んでいた部分もある。
しかし、彗星の如く現れた超絶リア充。一体誰のことだ。俺は違うぞ。断じてそうではない。そうだといいが残念ながら違う。
「海斗、なんか顔が青いぞ大丈夫か?」
「あ、ああ、まあ、だいじょ、うぶ、だ。」
「大丈夫に見えないぞ。」
どうする。どうすればいいんだ。こんな時はどうすればいい。
「おい海斗どうしたんだよ。」
「真司、隼人、俺たち友達だよな。」
「おお、いきなりどうした。友達だよ。」 「ああ、友達だよな。」
「そうか俺たち親友だよな。」
「ああ、まあそうだな。」 「あらたまって言われると照れくさいけど、まあな。」
「どうすればいいと思う?」
「はい?何が?」
「いやだからどうすればいいと思う?」
「一体なんの話だ?」
「俺だと思う。」
「いや、だから何が?」
「さっきの話だよ。」
「どの話?」
「さっきの超絶リア充だよ。」
「はい?何を言ってるのか意味がよくわからないんだけど、なんの話だよ?」
「いやだから俺だと思う。」
「ごめん海斗、お前が何を言ってるのかよくわからない。」
「いやだから俺なんだって。」
「う〜んやっぱり何を言ってるのかわからない。わかるか隼人?」
「いや俺も何を言っているのか全くわからない。そもそもなんの話をしているのかがわからないな。」
「いやだから、さっき彗星の如く現れた超絶リア充の話をしただろ。」
「ああ、したけどそれがどうしたんだよ。」
「だからそれ俺だと思う。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます