第142話 ベルリア
俺は今9階層で悩んでいる。
手元にあるサーバントカードを売ってしまおうかと悩み中だ。
「おい、そのサーバント売ってしまおうかと思ってないか?」
「ああ、まあそれがいいかなと思ってるんだけど。」
「そんな奴でも一応士爵だからな。騎士だから忠誠心は高いと思うぞ。前衛に使ってやってもいいんじゃないか」
「う〜ん。ルシェそうは言ってもな、忠誠心ねー。あんまりピンとこないな。そもそもこいつ武器持ってないんだけど前衛できるのかな。」
「あれだけ私達とやれたんだから問題ないだろ。なっ。」
どうやらルシェは売るのに反対らしい。気は乗らないが、一応倒したのはルシェだから、無下にも出来ないか。
「わかった。じゃあ一度召喚してみてから決めよう。ダメそうだったら売るのでいいか?」
「ああ、それでいいよ。」
「みんなもそれでいいかな。」
みんなの同意を得てからカードを額に当て
「ベルリア召喚」
召喚と同時に発光してベルリアが顕現した。
「マイロード、ベルリア召喚に応じ馳せ参じました。永遠の忠誠を誓います。」
おいおい、お前もか。
そこにいたのはおっさん悪魔ではなく、ただの子供。小さな角が生えているので悪魔には違いないが、もしかしたらシル達よりも小さいかもしれない。
しかもマイロードってなんだよ。一体誰のことだよ。
「姫、姫様の為にも身を粉にして働きますのでよろしくお願いします。」
姫?一体誰のことだ?姫なんかいないけど。
「ああ、まあよろしくな。」
ルシェお前のことか。お前いつから姫になったんだ。姫ってもっとお淑やかなものじゃないのか?
「ぷふっ」
予想外のやりとりにちょっと笑いが漏れてしまった。
「おい、なんで笑うんだよ、失礼な奴だな。」
「いやだって、姫様って。ちょっと可笑しくてな。ごめんごめん。」
「お二人は本当に仲がいいんですね。羨ましいです。」
ベルリアが話しかけて来るが、嫌味な感じは全くなく、本気で羨ましがっているようだ。
「ねえ、あれって、さっきまでのあの悪魔なのよね。」
「ええ、全然違いますね。むしろ可愛いのですけど。」
「確かに可愛いが、大きくなったらああなるんじゃないか。」
「大きくならない方が絶対にいいですね。」
「そう思います。」
「それはそうとベルリアちょっと聞いてもいいか。」
「はいなんでしょうか。」
「お前武器はどうした、騎士だろ。」
「いえ、私に聞かれてもわかりません。なぜか何も持っていません。是非とも魔剣をお与えください。貴方の剣として頑張ります。」
「いや、魔剣は一本しかないからやれない。また今度拾ったらな。それとスキルも何で1つしかないんだ?」
「それは、レベルが初期化されていますので、そのせいだと思われます。」
「スキルの『ダークキュア』なんだけど人間にも効果あるのか?」
「申し訳ございません。人間相手に『ダークキュア』を使用したことがないので、使って見ないと効果はわかりかねます。」
ああ、これは俺が実験台になるしかない奴だな。スキルがこれしかないので使えるかどうかの確認は必須だ。とりあえずもしもの時の為にポーションを買い揃えてから臨みたい。呪いとか、かかってもポーションで何とかなるんだろうか。そもそも呪われるとどうなるんだろう、不幸にでもなっていくんだろうか。
「ちょっと明日、スキルとかの検証をしてから処遇を考えようと思うんだけどみんなもそれでいいかな。」
「ちょ、ちょっとお待ちください。処遇とはどう言う意味でしょうか?ま、まさか手放す気なのですか。私はもう貴方を主人として認めてしまいました。姫様もおられますし、私の居場所はここ以外はあり得ません。お願いします。お願いします。」
こいつってこんなキャラだったのか?なんか俺が悪者みたいじゃないか。悪魔に悪者扱いされる俺って一体・・・
あとがき
初めて現代ファンタジー5位になる事ができました。ありがとうございます。
サバイバー最弱の俺は天使な彼女とハズレスキル『フェイカー』でSランクを目指す もぜひ一緒にフォローと★をお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます