第70話 久しぶりに3人

俺は今日も7階層に潜っている。

イベント最終日の昨日で4人で潜る最終日となった。

連携も取れ、サクサクゴーレム狩りも進み本当に楽しかった。

目的である8階層の階段前までたどり着く事も出来たので、無事解散となった。

解散の際に、ミクだけでなくあいりさんとカオリンの連絡先もいただき、


「またね」


と3人から言われた。

本当に人生予測できないことが突然起こるものだ。


今日は、昨日までのメンバーではなく1週間振りに、シルとルシェと潜っている。

昨日までのメンバーも本当に楽しかった。しかも今後も誘ってくれて夢じゃないだろうかとさえ思う。

しかし、やっぱりシルは落ち着く。俺の心のオアシスだ。

ルシェは・・・・ まあいないと寂しい。


シルのおかげですぐにモンスターと遭遇した。


ゴーレム3体だが、ここでちょっと迷いが生じてしまった。先週1週間は常に誰かと組んで、ゴーレムの注意を引いてもらっている間に俺が背後から仕留めていた。しかし、今のメンバーだと幼女2人に囮役をやらせるわけにはいかない。今までのパターンが身についてしまっていて何も考えてなかった。

考えろ俺。どうするのが一番いい?3人が一番活きる方法。


「シル、一番左のゴーレムに『神の雷撃』ルシェ真ん中のゴーレムに『破滅の獄炎』俺は一番左を受け持つから、先に片付いた方から加勢を頼む」


「はい。かしこまりました。やっぱりご主人様と一緒だと嬉しいです。」「ああ、久しぶりだからな。思いっきりやらせてもらうぞ」


俺は指示のあと一番右のゴーレムに対して魔核銃を発砲して注意を引く。一定以上の距離を保ち魔核銃をタイミングを見計らって再度発砲。

俺の役目は囮と時間稼ぎ。強力な火力を持つ2人に攻撃を任せて俺は裏方に徹する。これが7階層での最適解だと思う。

とにかく安全マージンだけを意識しながら牽制していると目の前のアイアンゴーレムが


『グヴオージュオー』 『ズガガガガーン』


炎と雷の閃光に包まれて一瞬にして消失してしまった。


「お前達やりすぎだろ。2人とも頑張ってくれるのは嬉しいけど、2人同時攻撃はどう考えてもやりすぎだろ。」


「いえ。どうしてもご主人様のお役に立ちたかったので、ちょっと張り切ってしまいました。」「ずっと出てきてなかったから、戦いたくてうずうずしてたんだよ。我慢してたんだからこのぐらい、いいだろ。」


まあ。やる気満々で頑張ってくれてるわけだから、いいんだけどやっぱりこの2人の攻撃力は、半端ないな。

本当に一瞬で片がついてしまう。ちょっと久しぶりの感覚だ。バルザードを使ってちょっと自分の攻撃力も上がったなと感じていたが、全く比較にならない。この2人と一緒だと自分がまだまだなのを痛感してしまう。これからも、もっと頑張ろう。


色々考えているうちに、次のゴーレムに遭遇した。今度は4体のグループだ。


「シル、ルシェ、さっきと同じ要領で行くぞ。左から2体は俺が引きつけるから、右の2体を先に頼む。」


そう言って俺は左側の2体に魔核銃を連射しながら、シルたちとは違う方向に誘導していく。いくらノロくてもあの巨体が2体迫ってくるとかなり怖い。

なので距離が詰まったら全力で走って距離を稼ぐ。

興味がそれかけたところを見計らって、魔核銃を発砲。これを繰り返すうちに


『グヴオージュオー』 『ズガガガガーン』


一瞬でゴーレム2体が消し飛んだ。


「ねえ、ルシェご主人様なんか手慣れてない?私たちの出番がなかった間に、指示もちょっと早くなってる気がするんだけど。」


「シルもそう思うか?なんか妙に自信がついてると言うか。いい事なんだろうけど、ちょっと怪しいな。」


「怪しいって、どういう意味なの?」


「いや、今まであれだけうにゃうにゃしてたのに、しばらく間が開いた途端妙に自信がみなぎってる。恐らく、女だな」


「え?女ですか?以前の春香様という人でしょうか?」


「いや、そこまではわからないが、なんか臭うな。」


「ルシェ、負けないように2人でもっと頑張るのですよ。一緒に頑張りますよ。」


「ああ。わかってるって。」


またシルとルシェがコソコソ話している。

ちょっと前から時々見かける光景だ。

触らぬ神に祟りなしと言うから、できる限りスルーするしかない。

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