第50話 魔剣?

次の日俺は学校に行っていつものように真司と隼人に


「おう」


とあいさつしたが2人からは、なぜか返事がなかった。


???


なんだ?


「なんだよ。2人ともどうしたんだよ。」


「海斗くん、おととい何をしていたのかな?」


おととい?


「買い物してたけど、それがどうした?」


「ふ〜ん買い物ね。誰とどこにいってたのかな?」


ここまで聞いてピンときてしまった。

昨日何もなかったから完全に大丈夫だと思って油断していた・・・

岡田 剛だ。

あいつが、ショッピングセンターでの事を言いふらしたに違いない。


「あ、あれだよ。あれ」


「どれだよ?」


「あの、この前言ってた、おつかいだよ。行くって言ってただろ。」


「確かに行くとは聞いたけど、本当に行ったんだな。しかもおしゃれして、デートみたいだったそうだが」


「い、いや、それは服を選んでもらって着替えたからで・・・」


「は?お前、葛城さんに服選んでもらったのか?それってもしかしてデートじゃないのか?」


「いや。おつかいだよ。おつかい。俺的にはすごい楽しかったけど、残念ながらただのおつかいだよ。」


「あー、お前らしいな。やっぱり海斗だな。海斗はどこまでいっても海斗だな。」


「どういう意味だよ。わけのわからない事を言うなよ。」


「それはそうと葛城さんと次の約束はしたのか?」


「そんなの、してるわけないだろ。そんなに何回も一緒に買い物なんかしてくれるわけないだろ。」


「は〜。ダメ元で誘ってみろよ。減るもんじゃないし。案外何回でも一緒に行ってくれるかもしれないだろ?」


「いや、そんなに買うものも、もうないし。」


「そういう問題じゃないと思うけど、海斗だしな。まあ頑張れ。」


いろいろと、大きなお世話だと思いながら1日が終わってしまった。


授業が終わって、早速、ギルドに来ていた。

いつものように日番谷さんのところに並んで


「すいません、ちょっといいですか?」


「はい、今日は買取でしょうか?」


「まあ、魔核の買い取りなんですけど。これをお願いします。」


俺は昨日手に入れた赤みがかった魔核を2個ともカウンターに並べた。


「これは・・・少々お待ち頂けますか?」


「はい。大丈夫です。」


日番谷さんは魔核を持って奥の部屋へ行ってしまった。

5分程待っていると、日番谷さんが奥から戻ってきた。


「高木様。失礼ですがこの魔核はどこで手に入れられたのでしょうか?」


「えっと、昨日ダンジョンの5階層で隠しダンジョンを見つけまして、その奥にオーガっぽいのがいて、

倒したらそれが残ってました。」


「え?隠しダンジョンですか?今まで5階層でそんなものは見つかっていませんが、その話は本当でしょうか?」


「ええ間違いないですよ。昨日行ってきましたから。」


「そうですか。至急ギルド職員に確認させますので、マップを指示頂くことは可能でしょうか?」


「はい。大丈夫です。ところでその魔核なんですが・・・」


「失礼しました。この魔核ですがオーガのものなんですね。それにしてはちょっと大きい気がしますが、

この魔核は特別な魔核になります。1つで350万円。2つで700万円となりますが、いかが致しましょうか?」


「あ・・・も、もちろん買取お願いします。すぐに売ります。」


「かしこまりました。では少々お待ちください。買い取り代金はお振込みでよろしいでしょうか?」


「はい。それでお願いします。あと、ちょっと鑑定して欲しいアイテムがあるんですけど。いいですか?」


「鑑定料として3万円お支払いいただければもちろん大丈夫ですよ。」


「じゃあこれをお願いします。」


俺は昨日手に入れたステーキナイフ?を取り出して日番谷さんに渡した。


「これですか。少々お待ちください。」


また日番谷さんは奥の部屋に下がっていき、しばらく待っていると帰ってきた。


「これが鑑定書になります。鑑定料は先程の買い取り代金から相殺させていただきますね。」


「はい、それでお願いします」


俺は渡された鑑定書をその場で見てみた。


アイテム名 魔剣 バルザード

魔核を吸収する事で斬撃の威力を増す。


え?

これ魔剣なの?

魔剣ってこんなに小さいの?

ステーキナイフぐらいしかないけど魔剣!?


「あの、すいません。魔剣ってあの魔剣ですよね。こんなに小さい魔剣てあるんですか?」


「鑑定結果に間違いはないので、そちらは間違いなく魔剣です。ただ、私が今まで見た中では一番小さいサイズの魔剣となります。」


「一番小さい・・・これの次に小さい魔剣ってどんなのでしたか?」


「そうですね。大体刃渡り30cmぐらいの物でしたね。」


「これ、それよりもかなり小さいですよね。」


「はい。まあ、かなり。でも間違いなく魔剣ですから、使用すれば高木様の助けになってくれますよ。」


こうして俺は憧れの魔剣を手にすることとなった。

最小サイズのステーキナイフっぽい魔剣を・・・

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