犬よ、叫べよ、家畜共。(2019)

殺す

左手にナイフを 右手にサイダーを持って

教会の裏で見かけた猫に餌をやったら

いつも通りの小屋まで走って君へと追いかけていく

仕舞ったナイフが擦れて左足が痛む


君と遊んで居たいだけ 痛いだけ

僕だってこんなの駄目だって解ってる

君をどう壊そうかだなんて考え

右手のサイダーを飲むんだ


左手にナイフを 右手に診察券持って

教会の裏で殺した猫に墓をやったら

いつも通りの病院一杯の笑顔で「大丈夫。」

仕舞ったナイフが擦れて左足が痛む


真夏の倫理に犯されて

僕等は処女を失くしたんだ

いつからか消えていった

あの痛み 思い出せない


「またね」


僕と君とで必要な距離が

今 僕は解ったような気がした

主治医のお金と髪の毛を持って

僕はこの町を出る

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