15:00
僕は今とてつもなく緊張している。
今隣にいる君に一生に一度言うか、言わないかの言葉をプレゼントしようとしている。
でもずっと勇気が出なかった。
もし、断られてしまったらどうしようって。
だから、友達協力してもらって
ラジオであの曲を流してもらう。
「公園なんて初めて来たね。」
「そ、そうだね!なんか温かいの飲む?」
「うん!今日ちょっといつもと違くない?」
「そうかな?普通!普通!」
だめだ、緊張しすぎて見破られてる気がする。
「そう?ま、いいけどねー。あ!自販機あるよ。」
と言って君に手を引っ張られる。
君のカフェラテと僕のココアを買う。
そしてリサーチ済みの誰も普段来ないベンチに座りに行く。
「人いないね。」
「そうだね。みんな帰ったのかな?」
「え、まだ明るいのに?」
「うーん、寒いからかなぁ…?」
とぼけるのが辛くなる。
僕は友達から聞いていた周波数に合わせて、
音をあげる。
[May happiness come to everyone who listens.
皆さんこんにちわ。クリスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお届けします。]
「あれ?この声…」
「あの、僕、君に伝えたいことがあるんだ。」
「え?うん?」
「…伝えるからさ、最後まで聞いてね?」
「うん。」
笑顔で僕のことを見る。
その笑顔が僕を勇気づけてくれた。
[では、次の曲、今夜のクリスマス。君に幸多からんことを。]
ありがとな。
お前のお陰で僕は一歩を踏み出せる。
僕は、この日のためにこの歌をたくさん練習してきた。
どんなふうに君に伝えればいいか
たくさん考えたんだけど、
君は僕の歌声が好きと言ってくれたのを思い出して
たくさんのラブソングの中から選んでこれにした。
僕は手を取りながら歌い始める。
歌い始めると少しびっくりした顔をした後
すぐに嬉しそうな笑顔になる。
「プレゼントなら用意してるんだ。」
そう言って、ポケットから君のために選んだ
指輪の箱を渡す。
「びっくりしたよね?」
「したけど、こんなに幸せな気持ちは初めてだよ。」
少し潤んだ瞳で笑顔をみせる。
「伝えたかったのはね…」
「歌とこのリングで気持ちは伝わったよ。」
「そ、そっか。」
「これからもよろしくね。」
「こちらこそよろしくお願いします!」
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