13:00

美味しい。

私の疲労を回復してくれるハンバーガー。


少し高いけど、お腹減って、元気がない時にいつもここの味を思い出してきてしまう。

私のエナジーフード。


いつも端にあるTVが付いていてアメリカのアニメが流れているけれど、今日はなぜかついていない。

壊れちゃったのかな?


今日はその代わりにラジオが流れている。


[May happiness come to everyone who listens.

皆さんこんにちわ。クリスマスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお届けします。]


聞き流しながらハンバーガーを食べ進める。


二階建てのハンバーガー屋で、

上の窓から踏切が見えて行き交う人の流れを見る。


このボーとする時間が好き。


やっぱりクリスマスだからデートをしているカップルが多い。

いいな、とは思うけど一時の寂しさで彼氏を作るもんじゃないからな。

付き合うならちゃんと私のことを大切にしてくれる人がいい。


最近まで浮気症の彼と付き合っていたけど、

何度も嘘をつかれていい加減に無理と思ったので別れた。

もっと早めに別れればいいんだろうけど、

恋心と理性はまた別何だよな。


思い出すだけでまた疲れる。

こんな美味しいハンバーガー食べてるんだけどな。


ぼけっと食べていると少しお店が混んできた。


しかも一人客私しかいないんだけど。

みんな、友達や恋人といる。


楽しそうで何より。

私は働いて社会に貢献します。


皆さんは経済たくさん回してください。


[では、次の曲、The First Noel。あなたに幸多からんことを。]


ジンジャーエールを飲んで、

油を流す。

この組み合わせ、いつも思うけど最高だな。


「すみません。」


店員さんに声をかけられる。


「はい!」


「もし良ければなんですが、相席お願いしてもいいですか?お一人の男性なんですが…。」


「あ、どうぞ!もう少しで食べ終わるので。」


「ありがとうございます!」


パァとステキな笑顔で一階に降りていく店員さん。


こんあ時代に相席なんて珍しいな。

まあそれだけ混んでるんだろう。


かいだんを上がってくる音がする。


私は席を移動して奥のソファ席を開ける。

こっちの方がゆっくりできるから相手にもいいだろう。


「相席ありがとうございます。」


「いえいえ!」


男の人の顔を見る。


「え!」


「え!」


地元の高校の友人だった。

話を聞くとたまたま出張でこっちにきてるらしい。


「こんな日に出張なんて大変だね。」


「まあ、働かないと生きていけないからねー。」


「そうだね。彼女とかいないの?」


「いない。いたらこんなとこまで来たくないよー。」


笑いながら会社に毒を吐く。

まあ、そういうもんだよね。


「お前は仕事?」


「うん、同じ理由。」


「そっか…じゃあ仕事終わったら飲みに行く?」


「え…」


「暇ならの話だけど。」


友人は、ハンバーガーを大口で食べ進める。


「え?おごり?」


「なんでそうなるんだよ!ま、いいけど。」


「やった!じゃあ行く!」


「お前…も独り身なんだな。」


「いいのいいの。人生楽しければそれでいいの。」


「そうだな。」


一人で家で晩酌予定だったけど、

ここにきてよかった。

また一段とこの店がすきになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る