[1106dd]青龍明の日記。

この日記を読んだ誰かへ

あなたがこの日記を読んでいる頃、オレはもう死んでいるかもしれません。

オレは暗殺者です。

昔、閉じ込められていた部屋を連れ出されて以来、人を殺し続けて生きていきました。

そこでは殺すことが当たり前で、悪いことだなんて誰も教えてくれませんでした。

学校に通うようになって、そこで暮らす人たちは人殺しが当たり前でないこと、人を殺せば法律で罰せられることを知りました。

でもそんなこと、オレには関係なかった。

どれだけ殺しても誰も罰してはくれないし、殺しをしくじれば学校に通えなくなるくらい暴力を加えられる。

オレはだんだん何も考えなくなりました。何も感じなくなったはずでした。

中学になって、どれだけ突き放しても話しかけてくれる友達ができました。

聞いてもないのに相談をしてくる友達もできました。

ようやくオレのことを疑ってくれる友達もできました。

嫌な感情を真っ直ぐにぶつけてきて泣き出すような友達もできました。

世間では友達とは言えないような関係かもしれないけど、オレにとっては大切な友達です。

その友達と居て、話して、オレは自分がすごくつらいと感じていることに気が付きました。暗殺者でいることが苦しい。これ以上、人を殺したくない。そう思っています。

今、オレに嫌な感情を真っ直ぐにぶつけてきて泣き出した友達、大森修子が、オレの居る組織に狙われています。

大森さんが殺されるのを止めにいきます。

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