02

 彼は、名前まで完璧だった。

 屈強な身体、均整のとれた思考。そして、その全てを使って今日も、ぼろぼろになりながら戦っている。


 倒れそうになる彼の肩に手を回して。支えて歩く。今日もがんばったね。すごいよ。その気持ちを込めて。名前を呼ぶ。


「リンクス?」


「やめろ。その名で呼ぶな」


 こうやって、繋がりは途切れる。彼への想いも。

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